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【東京ウエスト動物病院 東京都・小平市】

・白内障って目薬やサプリメントで治るのでしょうか?
・歳だから仕方ない、目薬は意味がないと言われたのですが、、、。
このようなご相談は、当院ではとても多くいただきます。
結論からお伝えすると、白内障は目薬やサプリメントで 治る病気 ではありません。
ですが、ここでとても大切なのは、目薬やサプリメントにも役割はしっかりあるということです。
この記事では、できるだけわかりやすく、それぞれの役割を理解して頂けるよう解説していきます。
【目次】
1.白内障は予防できるの?
2.白内障は目薬で治るの?
3.目薬でできることできないこと
4.サプリメントの位置づけ
5.当院の事例紹介
6.手術が必要になるタイミングは?
7.よくあるご質問
8.当院での考え方
1.白内障は予防できるの?

白内障にならないように予防ができないか。
何かできることがないか。
愛犬のためにそのように考えるのは、私たちも同じです。
しかし、残念ながら白内障そのものを完全に予防することはできません。
なぜなら、水晶体の変化は体の内部で不可逆的に起こるためです。
ただし、進行に関与するいくつかの要因をコントロールすることは可能です。
たとえば、糖尿病を持っている場合の白内障は、血糖コントロールが不十分だと白内障は急速に進行しますし、紫外線や酸化ストレスも水晶体へのダメージに関与すると考えられています。
予防策としてできることは、
・糖尿病の適切な管理
・バランスの良い食事
・抗酸化成分の補助(サプリメント)
などがあげられます。
そして、定期的に眼科検査を受けて頂くことで、白内障の進行具合や合併症の早期発見など、目の健康のフォローをすることができます。
2.白内障は目薬で治るの?

白く濁ってしまった水晶体は、点眼薬で透明に戻すことはできません。
これは、人でも犬でも同じです。
当院でも、白内障のにごりを薄くしたり、進行を止めるわけではないということをお伝えしています。
「それなら点眼薬を使う意味があるのでしょうか?」という疑問に対し、その役割についてご説明いたします。
3.点眼薬でできることとできないこと
目薬にはとても大切な3つの役割があります。
✔ 進行をゆるやかにする補助(初期の白内障)
白内障は、初期の段階では通常ゆっくりと進んでいきますが、点眼薬を使うことで進行速度をさらに緩やかにすることが期待されます。
一部の点眼薬には抗酸化作用を持つものがあり、水晶体へのダメージを軽減させる目的として使用されます。
ただし、その効果は限定的であり、白内障を治す薬ではありません。
✔ 炎症を抑える
白内障が進むと、目の中にぶどう膜炎という眼内炎が起こることがあります。これを防ぐことはとても重要です。
炎症によって眼圧が上昇することもあり、緑内障につながるリスクがあります。
緑内障は強い痛みを伴い、短期間で失明に至ることもあるため、早期の管理が重要です。
そのため、点眼薬は「視力回復」のためというより、目を痛みから守り、合併症を抑えるために重要な治療として使われます。
✔ 目の状態を守る
痛みや不快感を減らし、生活の質を保ちます。

白内障治療で用いられる主な点眼薬
白内障の目薬は、白さを消す薬 ではありません。
主な目的は、
✔ 進行を緩やかにする可能性
✔ 炎症を抑える
✔ 痛みを軽減する
✔ 合併症を減らす
です。
このため、視力を回復させる治療というより、
目を守る治療 として使われます。

点眼薬でできないこととしては、白くなった水晶体を元に戻すことは残念ながらできません。また、点眼薬による治療は効果的な対処ではありますが、基本的には局所療法です。
目の病気の勢いが強かったり、物理的な異常がある場合は、全身療法(飲み薬や注射など)や手術を併用する必要が出てくることはあります。
4.サプリメントの位置づけ
サプリメンは「治療」ではなく「補助的な役割」です。よく使用される成分としては、
・ルテイン
・アスタキサンチン
・クルクミノイド
・ビタミンC
・ビタミンE
・DHA・EPA
などがあります。
これらには抗酸化作用があり、長期的な目の健康維持を手助けしてくれる可能性があります。
ただし現時点では、白内障の進行を確実に止めたり、改善したりする明確なエビデンスは限定的です。
そのため、
✔ 「飲めば治る」
✔ 「進行が完全に止まる」
というものではなく、当院ではあくまで補助的な選択肢として使用しています。
5.当院の事例紹介
ここでは、どのような症状で来院されどんな治療を選択したのかをご紹介します。
事例1:点眼薬で経過をみるケース
【ペット情報】ミックス犬、10歳の避妊雌、4.62kg
【来院理由】目が少し白い気がするということで来院
【診断】老年性初発白内障+核硬化症 老齢性の初期の白内障がみつかりました。

両目共、初発白内障(赤丸)と核硬化症はみられています
【対応】白内障予防や抗炎症作用の点眼薬をスタートし、定期的な検査で経過を追うことになりました。その後大きな進行はなく、経過をみています。
【ポイント】
この段階の白内障では点眼薬が 予防として役に立つ可能性 があります。
目が白く(瞳の中が白い)見えるのは白内障と核硬化症によるものです。
核硬化症は加齢に伴う変化によるもので光は通ると言われていて、視力に影響はありません。
核硬化症は治療の対象にはなりません。
核硬化症についての補足
核硬化症と白内障は違います。
前者は線維の密度が上がる、後者は蛋白質の変性です。
高齢犬では、白内障ではなく核硬化症だった というケースもよくあります。
核硬化症は、
加齢に伴って水晶体線維の密度が増して少し青白く見えてくる変化です。
✔ 光は通る
✔ 見えなくなることはない
✔ 多くは治療不要
一方、白内障は水晶体が濁り(変性)、視力低下につながる病気です。
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事例2:若年性白内障の進行が早く、手術になったケース
【ペット情報】ハスキー犬、1歳の避妊雌、 kg
【来院理由】急に白さが増してきたとのことで来院
【診断】左目の若年性白内障

左目の白内障の進行がとても早いです。
【治療】白内障の進行をできるだけ抑える、ぶどう膜炎を抑える、眼内痛を抑える目的で点眼薬をスタートする。進行スピードが速いことから手術による視覚回復をご提案し、急展開で左目の超音波乳化吸引法による白内障手術を実施しました。視力の改善は得られ経過は順調でした。
【ポイント】
若齢性の白内障は進行が早いことが多く、早期の白内障手術をお勧めしています。
事例3:急速に進行した糖尿病性白内障で手術になったケース
【ペット情報】トイプードル、9歳の去勢雄、4.9kg
【来院理由】糖尿病の治療中で白内障が急激に進んで白さが増してきたとのことで来院
【診断】糖尿病性成熟白内障(両目)
両目共 成熟白内障が見られています
進行はとても早いです
【治療】飼い主様が視力の回復を希望されたため、糖尿病コントロール下において超音波乳化吸引法による白内障手術を実施しました。
【ポイント】
飼い主様からは「目薬で戻せませんか?」とのご希望がありましたが、視力を回復するには手術しかないとお伝えし、手術を行うことになりました。
事例4:高齢の子の成熟白内障で手術を選ばないケース
【ペット情報】トイプードル、17歳の去勢雄、4.5kg
【来院理由】高齢で目が白いのが気になる、何とかなりますかとのことで来院されました。
【診断】両目の老年性過熟白内障
両目共、老年性過熟白内障
瞳孔の形は不正で虹彩後癒着も見られました
【治療】白内障予防などの点眼薬とサプリメントでの炎症予防をスタート。生活環境の工夫をご提案しました。
【ポイント】
視覚は戻りませんが、目の炎症などを予防し、目を守るためのケアとなります。安定した生活を保つことはとても大切なことです。
合併症のリスク対策にもつながります。
このレベルの白内障は、白内障手術に踏み切ることも難しい段階とされています。
6.手術が必要になるタイミングは?

視力の回復には手術が唯一の方法となりますが、どの段階でも手術ができるわけではありません。
☆ 視力が大きく低下してきている
☆ 日常生活に支障が出ている
☆ 急速に進行している(特に糖尿病)
といった症状と、実際の白内障のステージによって手術のタイミングを決定します。
白内障の進行に伴い起こる、ぶどう膜炎や緑内障、水晶体脱臼などが起こると、手術の難易度が上がったり、手術自体ができなくなることもあります。
また、長期間炎症が続くことで、網膜や視神経にダメージが及ぶケースもあります。
「まだ少し見えているから大丈夫」「白くなってから考えよう」と様子を見るのではなく、見えているうちに適切なタイミングを判断することが非常に重要です。
進行スピードには個体差があるため、1〜3か月ごとの定期的な検査をおすすめします。
7.よくあるご質問
Q: 目薬だけで様子を見ても大丈夫ですか?
A: 状態によります。初期ならOKな場合もありますが、進行している、あるいは急速進行している場合は注意が必要です。
Q: 市販の目薬でもいいですか?
A: 自己判断はおすすめしません。白内障のタイプ、年齢、進行度によって適切な対処方法は変わります。診察を受けた上で点眼薬を使用することをお勧めします。
Q: 手術しないとどうなるのでしょうか?
A: 視力を回復する方法は手術のみとなります。手術をしない場合、白内障の進行、眼内痛、緑内障、眼内出血などのリスクはありますが、
手術をしないでケアしていく方法もあります。
飼い主様とご相談しながら治療を選択いたします。
8.当院での考え方
目薬やサプリメントで白内障を治すことはできませんが、その役割はしっかりあると考えています。
補助的な使い方ではあっても炎症の軽減、眼内痛の軽減、目の健康補助としての使い方はあると考えています。
視力の低下や痛みがある場合は白内障手術をご提案します。
しかし、当院では、無理に手術をすすめること はありません。
その子の年齢、性格、生活環境、費用面そして飼い主様のお気持ちを大切にしながら、最も納得できる選択を一緒に考えます。
若年性白内障、糖尿病性白内障、進行が早い白内障では、手術を考えていただく可能性は高いです。
進行がゆっくりな白内障や老年性白内障で進行スピードが遅いケースでは、目薬やサプリメントを利用しながら1~3ヶ月毎の定期検査を提案しています。
■ぜひご相談ください
白内障は、今どの段階なのか を見極めることはとても重要なことです。
目薬やサプリメントで様子をみていいステージなのか、手術を考えるべきステージなのか、状況については実際に診察しないと判断できません。気になった方はぜひお早めにご相談ください。
少しでも気になるサイン、そのタイミングがとても大切です。
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