内分泌科
Endocrinology
Common illness
甲状腺機能低下症は高齢の犬で多く見られる病気です。代表的な症状としては、対称性脱毛、尻尾の脱毛（ラットテイル）、フケやべたつきなどの角化異常、体重の増加、活動性の低下などが挙げられます。診断は血液検査とホルモン検査で行います。
治療は内服薬を用いることが多いですが、甲状腺の腫瘍が見つかった場合は外科手術が必要になることもあります。
副腎から出るステロイドホルモンの量が過剰になることで起きる病気です。多飲多尿、多食、お腹のはり、脱毛、皮膚の萎縮（薄くなる）、皮膚病が治りにくい、パンティングなどの症状が見られます。血液検査や超音波エコー検査、ホルモン検査を用いて診断を行います。治療の多くは内服薬で行います。副腎の腫瘍が見つかった場合は、内服薬や外科手術による摘出を行います。
甲状腺機能亢進症は高齢（8歳以上）のねこちゃんで多く見られる病気です。人のバセドウ病に近い病気です。甲状腺ホルモンの増加により、体重の減少、多食、多飲多尿、興奮、呼吸促迫などの症状が見られます。診断は血液検査やホルモンの測定で行います。治療はフードを専用のものに切り替えるか甲状腺の機能を抑制する薬を飲む必要があります。
糖尿病の多くは、人の2型糖尿病に似ていると考えられています。主な症状は多飲多尿、多食、体重減少です。尿中の糖が増加することで、菌の養分が増え尿路感染症は起きやすくなります。治療はインスリンの注射を行うことと、低炭水化物食を与えることが重要です。2型糖尿病は膵臓のインスリン分泌能が残っていることが多く、インスリン療法により状態が改善するとインスリン投与が必要なくなる場合もあります。
Treatment features
体重の増加や減少といった体型の変化が出やすく、病的に強い症状は少ないので、問診をしっかり行っています。
内分泌系の病気が疑われた場合は、血液検査、レントゲン検査、超音波エコー検査、血液中の内分泌ホルモンの濃度測定（サイロキシンやコルチゾールなど）を組み合わせて進めていきます。
内分泌疾患の多くは始まると一生の治療になります。安心して治療に臨めるよう生活面での注意点についてもお伝えするよう努めています。
Course of treatment
どのような症状が、いつから、どのように進行してきたかを細かく伺います。特に体重の増減や水を飲む量、尿の量は変化が出やすいため、注意してお聞きするようにしています。
全身の身体検査の他、内分泌系の病気に特徴的な症状（体重減少、食欲低下、倦怠感、皮膚病など）がないかをチェックしていきます。
内分泌系の病気で異常が出やすい部分の血液検査、尿検査を実施して、どれくらいの可能性があるのかを調べます。その結果、疑いが強くなった場合は、超音波エコー検査やホルモン検査を実施してより詳しく調べていきます。
内分泌の多くの病気では、内服により治療を行います。また、ホルモンを分泌する臓器自体が腫瘍化していることもあり、その場合は全身麻酔下で外科的に摘出することもあります。
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