いぬ
膿皮症(細菌性皮膚炎)
膿皮症(のうひしょう)は、主に皮膚の常在菌であるブドウ球菌の感染による皮膚炎です。表面性、表在性、深在性の3タイプがあり、犬に多くみられます。その理由は、皮膚が薄い(ヒトの1/6の厚み)、皮膚のpHが細菌の増殖しやすい弱アルカリ性などが挙げられます。発症要因は、品種、年齢、アレルギーなどの他の皮膚病の存在、内分泌ホルモンの異常、腫瘍の存在、ステロイド剤や免疫抑制剤、抗がん剤などの薬剤の使用、高温多湿、不衛生な生活環境、栄養不良、間違ったスキンケア(シャンプー剤の誤選択、過剰なブラッシング)などがあります。体を舐めることで全身に広がるとも言われています。診断は、症状のほか、問診、細胞診検査、類症鑑別をベースに進めます。治療の主体は抗生剤ですが、当院では、治った後の予防方法やケアについてもお伝えしています。マイクロバブルバス&スキンケアはお勧めです。
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毛包虫症(アカラス、ニキビダニ、毛包虫,デモデックス)
毛包虫は別名で「ニキビダニ」や「アカラス」ともいわれ、毛包内(毛穴)に寄生するダニの一種です。ニキビダニが毛穴(毛包)の中に寄生して起こす皮膚炎で、激しい痒み、かきむしり、皮膚の肥厚、黒色化、多量のフケ、カサブタなどがみられ、二次的な細菌感染も伴います。今では副作用の少ない良い治療方法がいくつも出てきています。甲状腺機能低下症,癌などの免疫が低下する病気が引き金になっていることもあります。
脂漏症
脂漏症はフケやベタつきを主な症状とする皮膚病です。生まれつきの体質です。先天性の脂漏症と後天性のもの(例えば、内分泌異常、アレルギー、アトピー、免疫異常などが影響して起こる脂漏症)があります。シャンプーや保湿剤といったスキンケアを中心に治療を行う必要があります。また、痒みに対しては内服薬や注射薬を併用することもあります。
犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎は遺伝的素因を背景とした慢性の痒みを主徴とする皮膚病で、アレルギー反応と関連があるもののうち皮膚の炎症を伴うものを指します。症例の多くは環境アレルゲンに対する抗体を持つだけでなく、ドライスキンなどの皮膚バリア機能の低下を招く体質を持っています。そのため、完治させることはなかなか困難なことが多いのですが、いかにうまく痒みをコントロールして病気とお付き合いしていくかが大切なことです。最近はとても良い治療方法が出てきています。当院では、最新の内服薬や注射薬、マイクロバブルバス、外用薬などトータルなスキンケアを提案しています。
外耳炎
外耳炎は、耳の穴に急性または慢性の炎症が起こっている疾患で、症状は、外耳炎を引き起こしている原因と炎症の程度により様々です。耳垢が多くなり、悪臭を放つこともあります。悪化すると鼓膜の奥にある中耳、さらには内耳にまで広がり、前庭障害(頭部の傾きなど)を起こすこともあります。 原因は、犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、細菌、マラセチア(酵母菌)、寄生虫、腫瘍など様々で、検査によって仕分けていきます。