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網膜・視神経・高血圧など「目の奥」からわかる病気をわかりやすく解説
【東京ウエスト動物病院 東京都・小平市】
「最近、暗いところを歩きにくそう」
「家具や壁にぶつかるようになった」
「目はきれいなのに、なんとなく見えていない気がする」
このようなとき、目の表面だけを見ても原因がわからないことがあります。
そこで大切になる検査の一つが、眼底検査(がんていけんさ)です。
眼底検査では、目の奥にある網膜・血管・視神経などを観察します。
目の病気だけでなく、場合によっては高血圧など全身の病気の手がかりが見つかることもあります。
今回は、犬や猫の眼底検査で何がわかるのか、できるだけわかりやすく解説します。
1.眼底検査では何を見るの?
眼底とは、簡単にいうと目のいちばん奥です。
主に次の部分を観察します。
網膜
光を感じる大切な組織です。
網膜の血管
出血や血管の異常がないか確認します。
視神経
網膜で受け取った情報を脳へ送る働きをしています。
脈絡膜
網膜に酸素や栄養を届ける血管の多い組織です。
目はカメラに似ています。
光が目の中に入り、網膜でその情報を受け取り、視神経を通って脳へ伝わることで「見えた」と感じます。
そのため、角膜や水晶体がきれいでも、網膜や視神経に異常があると、うまく見ることができない場合があります。

2.眼底検査でわかる主な病気
網膜変性
網膜の働きが少しずつ低下する病気があります。
犬では進行性網膜変性(PRD)や進行性網膜萎縮(PRA)などが知られています。
初期には、
・夜になると歩きにくい
・暗い場所を嫌がる
・夜の散歩で立ち止まる
といった変化がみられることがあります。

網膜剥離
網膜が本来ある場所から剥がれてしまう状態です。
広い範囲で網膜剥離が起こると、急に見えにくくなることがあります。
特に猫では、高血圧に伴って網膜剥離や眼底出血が起こることがあります。
・昨日まで普通だったのに、急にぶつかるようになった
・瞳孔が大きく開いている
という場合には、早めの受診が大切です。
眼底出血
網膜やその周囲に出血がみられることがあります。
眼底出血の背景には、
・高血圧
・炎症
・血液の病気
・外傷
・一部の全身疾患
などが隠れていることがあります。
そのため、眼底出血が見つかった場合には、血圧測定、血液検査、内分泌系の検査、循環器科など、目以外の検査が必要になることもあります。
網膜・脈絡膜の炎症
網膜や脈絡膜に炎症が起こることがあります。
原因として、
・感染症
・免疫に関係する病気
・全身性の炎症
・腫瘍性疾患
などが関係している場合があります。
視神経の病気
視神経は、網膜で受け取った情報を脳へ伝える「電線」のような役割をしています。
視神経に炎症や萎縮などが起こると、目の表面には大きな異常がなくても、見えにくくなることがあります。
3.眼底を見ると「体の病気」がわかることもあります
眼底検査の大きな特徴の一つは、血管を直接観察できることです。
そのため、
「これは目だけの病気ではないかもしれない」
と気付くきっかけになることがあります。
例えば、
・高血圧
・感染症
・炎症性疾患
・血液疾患
・腫瘍性疾患
などが眼底の異常として現れる場合があります。
つまり眼底は、
「目の奥を見る場所」であると同時に、「体の状態を知る窓」になることもある
のです。
4.こんな症状があったら眼底検査を考えましょう
次のような変化がある場合には、目の奥まで調べることが大切です。
・家具や壁にぶつかる
・階段を怖がる
・暗いところを嫌がる
・夜になると動きにくそう
・おやつやおもちゃを見失う
・急に見えなくなったように感じる
・瞳孔がいつも大きい
・左右の瞳孔の大きさが違う
・白内障がある
・高血圧や糖尿病などの全身疾患がある
・シニアになり視力が心配

特に、急に見えなくなったように感じる場合は早めの受診をおすすめします。
「年齢のせいかな」と思っていた変化が、実は目の病気であることもあります。
・目が白く見える原因は白内障だけではありません。詳しくは『犬 目 白い・猫 目 白い その原因|白内障だけではありません〖見分け方と緊急サイン〗』をご覧ください。
5.白内障があると眼底は見えるの?
白内障とは、目の中にある水晶体が白く濁る病気です。
白内障が進行すると、水晶体の濁りによって眼底が直接見えにくくなることがあります。

しかし、
「眼底が見えない=網膜の状態を調べられない」
ということではありません。
必要に応じて、
ERG(網膜電図検査)
網膜が光に反応して働いているかを調べます。
・ERG(網膜電図検査)について詳しくは、「ペットの網膜の病気とERG検査」をご覧ください。
眼科超音波検査
白内障で目の奥が見えなくても、網膜剥離などがないか確認することができます。
特に白内障手術を検討する場合には、網膜がきちんと働いているかを確認することが重要です。
・白内障について詳しくは『うちの子が白内障になったらどうする?』をご覧ください。
6.犬や猫は「見えにくい」と言ってくれません
人なら、
・「最近かすんで見える」
・「暗いところが見えにくい」
と伝えることができます。
しかし、犬や猫は言葉で伝えることができません。
さらに、片方の目が見えにくくても、もう片方の目や嗅覚、聴覚を使って上手に生活することがあります。
そのため、飼い主様が気付いたときには病気が進んでいることもあります。
「まだ普通に歩いているから大丈夫」ではなく、小さな変化に気付いたときに調べておくことが大切です。
・ご自宅で気づきやすい目の異常サインについては『犬・猫の目がおかしい? | 目を細める・涙・目やに・白い濁りのチェックポイントと緊急度サイン』も参考にしてください。
7.目の奥まで調べることで「見えにくい原因」がわかることがあります
東京ウエスト動物病院では、
「目が赤い」
「目が白い」
という見た目だけでなく、
本当に見えているのか、目のどこに問題があるのか
という視点を大切にしています。
必要に応じて、
・視覚反応
・神経学的眼科検査
・眼圧検査
・スリットランプ検査
・眼底検査
・眼科超音波検査
・ERG(網膜電図検査)
などを組み合わせて、目の状態を総合的に評価します。
「最近、少し見えにくそう」
「暗いところを怖がるようになった」
「目が白くなってきた」
「シニアになったので一度目を調べておきたい」
このような小さな変化でも構いません。
目の病気の中には、早く気付くことがその後の視覚を守ることにつながるものがあります。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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