犬・猫の脳圧とは?|上がるとどうなる?症状・原因・検査と治療|東京ウエスト動物病院|東京都小平市学園東町の動物病院

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犬・猫の脳圧とは?|上がるとどうなる?症状・原因・検査と治療

【東京ウエスト動物病院 東京都・小平市】

「急にふらつくようになった」
「けいれんを起こした」
「目が見えなくなったような気がする」

こうした症状の背景には、脳の病気が隠れていることがあります。

その中で注意したいのが、脳圧(のうあつ)の上昇です。
脳圧が高くなりすぎると、脳の働きが障害され、命に関わることもあります。

今回は、犬・猫の脳圧について、わかりやすく解説します。

■1.脳圧って何?
脳圧とは、頭蓋骨(ずがいこつ)の中にある脳にかかる圧力のことです。医学的には「頭蓋内圧(ずがいないあつ)」と呼びます。

頭蓋骨の中には、脳のほかに血液や脳脊髄液(脳を守る液体)があります。
頭蓋骨は硬いため、中のものが増えすぎると、圧力が高くなります。
これが「脳圧が高い」という状態です。頭蓋骨は硬く、内側の圧力が高くなっても、ほとんど広がりません。脳圧が高くなりすぎると、脳が圧迫され、血流も妨げられるため、脳の働きにさまざまな障害が起こります。

■2.なぜ脳圧が高くなるの?
主な原因には、次のような病気があります。

・脳腫瘍:脳の中に腫瘍ができる
・脳炎:脳に炎症が起こり、腫れる
・脳出血・頭部外傷:出血やけがによって脳が圧迫される
・水頭症:脳脊髄液が過剰にたまる
・重度の高血圧:脳にむくみが生じることがある

水頭症は若い犬でもみられます。一方、猫では腎臓病や甲状腺の病気に伴う高血圧にも注意が必要です。

ただし、これらの病気があるからといって、必ず脳圧が高くなるわけではありません。

■3.脳圧が高いと、どんな症状が出るの?
脳圧が上昇すると、次のような症状がみられることがあります。

✔元気がなく、ぼんやりしている
✔ふらつく、まっすぐ歩けない
✔吐く、食欲がなくなる
✔けいれんを起こす
✔瞳孔の大きさや光への反応が変わる
✔急に見えにくくなる
✔重症では意識や呼吸に異常が起こる

ただし、これらは脳圧上昇だけに特有の症状ではありません。
低血糖や中毒など、脳以外の病気でも似た症状が出るため、検査による確認が必要です。

けいれんが続く、意識が悪い、呼吸がおかしい場合は、直ちに救急診療を受けてください。

■4.脳圧と目の病気には関係があるの?
目と脳は、視神経という神経でつながっています。

脳や視神経に異常が起こると、目の表面には異常がなくても、見えにくくなることがあります。
また、脳圧の上昇に伴って、眼底の視神経の出口が腫れる「うっ血乳頭」がみられる場合もあります。

ただし、犬や猫では脳圧が高くても眼底に異常が現れないことがあり、眼底検査だけで脳圧を判断することはできません。

突然見えなくなった場合には、網膜や視神経、脳のどこに原因があるのかを調べることが大切です。

関連記事:犬・猫が突然見えなくなったら?|目・網膜・視神経・脳のどこに原因がある?

  • 脳圧・眼圧・血圧は違います

脳圧:頭蓋骨の中の圧力
眼圧:眼球の中の圧力
血圧:血液が血管を押す圧力

この3つは別のものです。

例えば、目が赤く痛そうな場合には、脳圧よりも緑内障や目の炎症などを疑います。

また、重度の高血圧は、脳だけでなく網膜にも障害を起こすことがあります。

関連記事:血圧ってどうやって測るの?

■5.脳圧が高いかどうかは、どうやって調べるの?
まず、意識の状態、歩き方、神経の反応などを調べます。

東京ウエスト動物病院では、症状に応じて次のような検査を組み合わせます。

■ 神経学的検査:意識、歩行、反射などを確認
■ 眼科検査:瞳孔の反応、眼圧、眼底などを確認
■ 血圧・血液検査:全身の病気を調べる

□ MRI・CT検査:脳腫瘍、出血、炎症、水頭症などを詳しく調べる
□ MRI・CT検査が必要な場合には、対応可能な専門施設をご紹介します。
□ MRI・CTは脳の状態を調べる検査であり、脳圧そのものを直接測定するものではありません。

また、病気によっては脳脊髄液検査を検討しますが、脳圧が著しく高い場合は危険を伴うため、慎重な判断が必要です。

関連記事:ペットの眼底検査では何がわかる?

■6.脳圧が高くなったら治療できるの?
治療方法は原因によって異なります。

脳圧が急激に高くなった場合には、入院管理のもとで脳のむくみを軽減する点滴治療などを行います。

また、脳炎では原因に応じた薬物治療、水頭症や脳腫瘍では状態によって手術などが検討されることもあります。

脳圧を下げるだけでなく、原因となった病気を治療することが重要です。

回復の可能性は、原因や脳の障害の程度、治療を始める時期によって異なります。

■7.こんな症状に気づいたら早めに受診を
突然のけいれん、強いふらつき、意識の異常、頭部のけがの後の急な体調変化には注意が必要です。

特に意識や呼吸に異常がある場合は、直ちに救急受診してください。

また、急に物にぶつかる、見えていないように感じる場合も、できるだけ当日中に診察を受けましょう。

東京ウエスト動物病院では、眼科検査と神経学的検査、全身状態の評価を組み合わせ、異常の原因を調べています。

必要に応じてMRI・CT検査が可能な専門施設と連携し、診断と治療につなげます。

目の異常は、脳や全身の病気に気づくきっかけになることもあります。

いつもと違う様子が気になるときは、お早めにご相談ください。
目の変化も、脳からのサインかもしれません。

参考資料:
1.猫の救急疾患と脳圧上昇(2026年)
Reed N. Rational approach to feline medical emergencies: part 2. Journal of Feline Medicine and Surgery, 2026.
猫の脳圧上昇が疑われる際の症状と対応、犬との臨床的な違いを解説した新しいレビューです。

2.犬猫の輸液・脳損傷管理(2024年)
2024 AAHA Fluid Therapy Guidelines for Dogs and Cats.
脳損傷時の頭蓋内圧上昇と、マンニトール・高張食塩水による治療についての根拠です。

3.犬の頭蓋内圧の直接測定とMRI所見(2020年)
Giannasi S, et al. Comparison of direct measurement of intracranial pressures and presumptive clinical and magnetic resonance imaging indicators of intracranial hypertension in dogs with brain tumors. Journal of Veterinary Internal Medicine. 2020;34:1514–1523.
脳腫瘍を持つ犬20頭と対照犬3頭の研究です。臨床症状だけによる脳圧の推定には限界があり、MRI所見が評価に役立つことを示しました。ただし、対象が限定された小規模研究です。

4.動物の視神経と眼底所見(2026年更新)
Merck Veterinary Manual. The Optic Nerve in Animals.
視神経炎とうっ血乳頭を区別するための資料です。うっ血乳頭の有無と視力障害は単純には一致しません。

5.犬猫の全身性高血圧(2018年)
Acierno MJ, et al. ACVIM consensus statement: Guidelines for the identification, evaluation, and management of systemic hypertension in dogs and cats. Journal of Veterinary Internal Medicine. 2018;32:1803–1822.
猫の高血圧に伴う網膜障害、脳症、腎臓病との関連についての基礎資料です。

6.犬猫の頭部外傷の診断と治療(2024年)
Wart M, et al. Traumatic brain injury in companion animals: Pathophysiology and treatment. Topics in Companion Animal Medicine. 2024.
頭部外傷後の脳損傷、症状の評価、治療、予後についての総説です。

Web問診はこちら – 東京ウエスト動物病院 TEL:042-349-7661  FAX: 042-349-7662
犬・猫の脳と目の健康を守るために。
いつもと違う小さな変化も、東京ウエスト動物病院へご相談ください。

 

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