犬の涙やけが治らないのはなぜ?改善した3つの事例から原因と治療を獣医師が解説 【東京ウエスト動物病院 東京都・小平市】|東京ウエスト動物病院|東京都小平市学園東町の動物病院

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犬の涙やけが治らないのはなぜ?改善した3つの事例から原因と治療を獣医師が解説 【東京ウエスト動物病院 東京都・小平市】

涙やけは、ドライアイだけで起こるとは限りません。目の状態に加えて、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など、複数の要因が関係していることがあります。

今回は、東京ウエスト動物病院のなみだやけ外来を受診し、実際に症状が改善した3つの事例をご紹介します。フードを見直して改善したケース、治療内容を見直して改善したケース、点眼が難しくても改善できたケースを通して、涙やけの原因、検査、治療の考え方を分かりやすく解説します。

はじめに
「涙やけ用のフードに変えたけれど変わらない」
「目薬を続けているのに涙やけが治らない」
「毎日拭いているのに、すぐに茶色くなってしまう」

このようなお悩みでご相談いただくことがあります。

涙やけは若い犬でよくみられる症状ですが、その原因はひとつではありません。

涙やけは見た目の問題だけでなく
目や皮膚の異常が隠れていることもあります

実際には、ドライアイやアレルギー疾患、涙の量や質のバランスの異常など、さまざまな要因が関係しています。
当院には小平市だけでなく、東久留米市、東村山市、西東京市、東大和市、清瀬市、小金井市、国分寺市などからも涙やけや目やにのご相談で来院されています。
今回は、実際に改善した3つの事例をご紹介しながら、涙やけが治らない理由と治療の考え方について解説します。

1.涙やけの治療をしているのに良くならない
涙やけというと、「涙が多いから起こる」と思われることが多いかもしれません。
しかし実際には、

・ドライアイ
・食物アレルギー
・アトピー性皮膚炎
・マイボーム腺機能不全(まぶたの油の腺のトラブル)
・結膜炎
・眼瞼(まぶた)や睫毛(まつげ)の異常
・鼻涙管閉塞

など、さまざまな原因があります。
そのため、同じ涙やけでも原因が異なれば治療法も変わります。

特に、
「治療しているのに改善しない」
「一時的には良くなるけれど再発する」
という場合には、別の原因が隠れている可能性も考える必要があります。

2.なぜ涙やけが治らないのでしょうか?
涙やけの治療で最も大切なのは、
「なぜ涙やけが起きているのかを見つけること」です。
ドライアイが原因ならドライアイの治療が必要です。

一方で、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が関与している場合には、アレルギーへの対応も必要になります。このように、同じ涙やけでも原因によって必要な治療は異なります。

当院では、涙の量を調べる涙液量検査や角膜・結膜・まぶたの状態を拡大して確認するスリットランプ検査などを行います。涙が多いか少ないかだけでなく、涙の質、目の表面の傷、まぶたやまつげの刺激なども確認しながら、その子に合った治療方針を決定しています。

以下に動画にて示します。
犬の涙の量を短時間で調べる“涙液量検査”(20)

犬の涙の量を短時間で調べる“涙液量検査”
・専用の試験紙を下まぶたにやさしく入れます
・5秒で涙が試験紙にしみ込む長さを測ります
・涙の量が少ない場合は、ドライアイが疑われます
・短時間で行える、体への負担が比較的少ない検査です

目の表面を拡大して調べる“スリットランプ検査”(17)

目の表面を拡大して調べるスリットランプ検査
・細い光を目に当て、拡大して観察
・角膜に傷や濁り、炎症がないか確認
・結膜・まぶた・まつげの異常も確認
・涙やけや目やにの原因を詳しく調べます
・目の異常を早期に見つけるための大切な検査です

角膜の傷を調べる“フルオレセイン染色検査”(26)

角膜の傷を調べるフルオレセイン染色検査
・眼科検査用の色素を使って、目の表面を染色します
・色素を目の表面全体になじませます
・専用の青い光を当てて、角膜を観察します
・角膜に傷がある部分は、緑色に染まって見えます
・目の表面の傷や角膜潰瘍を早期に見つける大切な検査です

3.当院での事例紹介
事例 ① フードを見直したことで改善した涙やけ
ビションフリーゼ、2歳、去勢♂、3.5kg
【来院理由】
2歳のビションフリーゼが、子犬の頃から続く涙やけを主訴に来院されました。
目の周囲の赤みや薄毛も見られていました。

【診断】
そこで、食物アレルギーの関与も考え、食物アレルギー検査を実施したところ、複数の食材に反応が示されました。ただし、検査結果だけで食物アレルギーを確定することはできないため、これまで食べていた食材や症状の経過、検査結果などを参考にしながら、飼い主様と相談して食事内容を見直しました。

【治療】
点眼療法は変更なく継続し、フードを食物アレルギー用の療法食へ変更しました。

【結果】
食事内容を見直し、点眼療法を継続したところ、顔周囲の痒みが改善し、目からあふれる涙も徐々に減少しました。数か月後には涙やけも大きく改善し、食事内容が涙やけに関与していた可能性が考えられました。

【飼い主様へのポイント】
涙やけは目だけの問題とは限りません。
特に若い犬では、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が関係していることがあります。

事例 ② ドライアイの治療を見直したことで改善した涙やけ
トイプードル、3歳、去勢♂、5.0kg
【来院理由】
3歳のトイプードルが涙やけを主訴に来院されました。

【診断】
眼科検査の結果、ドライアイが認められたため、ドライアイに対する点眼治療を開始しました。
治療によって一定の改善は認められたものの、涙やけは残存し、十分な改善には至りませんでした。
また、アレルギーの関与も考えられたためアレルギー検査を実施しましたが、明らかな異常は認められませんでした。

【治療】
眼表面への刺激や点眼薬との相性なども考慮し、眼科検査で状態を確認しながら、獣医師の判断で一度治療内容を見直しました。
その後、防腐剤を含まないヒアルロン酸ナトリウム点眼液と眼軟膏による管理へと変更しました。

【結果】
治療内容を変更した後、涙やけは徐々に軽くなりました。約2か月後には目やにも減り、涙やけもほとんど目立たなくなりました。

【飼い主様へのポイント】
ドライアイの治療を行っていても、すべての子が同じように改善するわけではありません。
涙やけが良くならない場合には、点眼薬の種類や治療方法を見直すことで、症状が軽くなることがあります。

事例 点眼ができなくても改善できた涙やけ
ビションフリーゼ、1歳、去勢5.7kg
【来院理由】
11か月齢のビションフリーゼが目やにや涙やけを主訴に来院されました。

【診断】
軽度のドライアイが認められ、涙の蒸発を防ぐ油分を作るマイボーム腺の働きにも、低下が疑われました。

【治療】
当初は点眼治療を開始しましたが、点眼を非常に嫌がり継続が困難でした。
そこで飼い主様と相談し、眼軟膏とサプリメントを主体とした治療へ変更しました。

【結果】
無理なく治療を継続することができ、涙やけや目やにも改善しました。

【飼い主様へのポイント】
眼科治療は継続することがとても大切です。
理想的な治療だけでなく、ご家庭で無理なく続けられる治療法を選ぶことも重要だと考えています。

4.涙やけは原因によって治療法が異なります
今回ご紹介したように、涙やけという症状は同じでも、その背景にある病気や異常はさまざまです。ドライアイが関係していれば、涙の量や質を整える治療が必要です。
食物アレルギーが関係している場合には食事管理が必要になります。
また、使用している点眼薬や治療方法を見直すことで症状が軽くなることもあります。

そのため、「涙やけだからこの治療」ではなく、「なぜ涙やけが起きているのか」を考えることが改善への近道です。

5.涙やけで動物病院を受診する目安
次のような症状がある場合は、早めに動物病院で目の検査を受けることをおすすめします。

✔ 涙やけが急に悪化した
✔ 目やにが増えた
✔ 目をしょぼしょぼする
✔ 目を掻くことが増えた
✔ 点眼治療を続けても改善しない
✔ 顔周囲の皮膚炎を繰り返す

早期に原因が分かることで、治療の選択肢が広がることも少なくありません。

受診の様子
わかりやすく、丁寧な説明を心がけています

6.よくあるご質問
Q.涙やけは、フードを変えれば治りますか?
フードの変更で改善する犬もいますが、すべての涙やけが食事によって起こるわけではありません。ドライアイ、まぶたやまつげの異常、結膜炎、アトピーなどが関係している場合もあるため、症状が続く場合は眼科検査を受けることをおすすめします。

Q.目薬だけで様子を見ても大丈夫ですか?
原因によります。ドライアイ以外の病気が関係している場合は、点眼だけでは改善しないことがあります。

Q.市販の涙やけケア用品だけで改善しますか?

見た目の改善につながることはありますが、原因となる病気の治療にはなりません。

Q.放置するとどうなりますか?
ドライアイや角膜炎などが隠れている場合には、症状が進行する可能性があります。

Q.点眼ができない場合はどうしたら良いですか?
眼軟膏やサプリメントなど、別の治療法を選択できる場合があります。

Q.再発することはありますか?
アレルギー体質や慢性的なドライアイでは再発することがありますが、適切な管理で良好な状態を維持できることも多くあります。

7.東京ウエスト動物病院での考え方
当院では、涙やけを単なる見た目の問題として考えていません。
涙やけの背景には、ドライアイ、マイボーム腺機能不全、角膜疾患、眼瞼疾患、アレルギー疾患などが隠れていることがあります。

涙の量を調べる涙液量検査、角膜・結膜・まぶたの状態を拡大して確認するスリットランプ検査、角膜に傷がないかを確認するフルオレセイン染色検査などを行い、原因をできる限り明らかにしたうえで治療方針をご提案しています。

検査結果や治療の必要性を丁寧にご説明し、飼い主様と相談しながら治療方針を決めています。
その子の年齢、性格、生活環境、ご家族のお気持ちを大切にしながら、一緒に治療方針を考えています。
早期発見によって選択肢が広がることも多いため、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。

8.まとめ|治らない涙やけは、原因を丁寧に調べることが大切です
涙やけが治らない場合、その背景にはドライアイだけでなく、食物アレルギー、まぶたやまつげの刺激、涙の量や質の異常などが隠れていることがあります。
「体質だから仕方がない」と思っていた症状でも、原因を丁寧に調べることで、改善のきっかけが見つかることがあります。
東京ウエスト動物病院では、それぞれの子に合った治療法を、飼い主様と一緒に考えながらご提案しています。涙やけがなかなか良くならずお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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