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【東京都・小平市 東京ウエスト動物病院】
目次
・膝蓋骨内方脱臼(MPL)とは?
・なりやすい犬種
・何歳から発症するの?
・比較的少ない犬種
・なぜ小型犬に多いの?
・トイプードル
・チワワ
・ポメラニアン
・こんな症状はありませんか?
・自宅でできる予防
・手術は必要なの?
・東京ウエスト動物病院の診療
・よくあるご質問
・まとめ
「うちの子はパテラになりやすい犬種ですか?」
診察室でもよくいただく質問です。
膝蓋骨内方脱臼(MPL:Medial Patellar Luxation)は、小型犬でとても多い整形外科の病気です。
症状が軽いうちは気づきにくいこともありますが、放置すると痛みが強くなったり、歩き方が悪くなったりすることがあります。
今回は、膝蓋骨内方脱臼になりやすい犬種やその理由、飼い主様が気を付けたいポイントを分かりやすく解説します。
◉ 膝蓋骨内方脱臼(MPL)とは?
すねの骨(脛骨)が内側へねじれるように回転(内旋)するため、膝のお皿が内側へ引っ張られやすくなり、膝のお皿(膝蓋骨、パテラ)が、本来あるべき位置から内側へ外れてしまう病気です。

軽いうちは自然に戻ることもありますが、進行すると常に外れた状態になることがあります。
◉ なりやすい犬種
特に多く見られる犬種は次のとおりです。
・トイ・プードル
・チワワ
・ポメラニアン
・ヨークシャー・テリア
・マルチーズ
・パピヨン
・ペキニーズ
・シーズー
・ミニチュア・ピンシャー
以下の中型犬・大型犬でも見られることはあります。
・フレンチ・ブルドッグ
・柴犬
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・ラブラドール・レトリーバー
・ゴールデン・レトリーバー
などです。
これらの犬種では、生まれつき骨格の特徴から発症しやすいと考えられています。
◉ 何歳くらいから見られる?
膝蓋骨内方脱臼は生後4〜6か月頃から診断できることがあります。
実際に症状が目立つのは6か月〜2歳くらいが多く、若いうちに見つかる犬も少なくありません。
一方、シニアになってから急に悪くなったように見える場合は
以前からあったパテラが年齢とともに悪化した可能性があります。
◉ 比較的少ない犬種
実は、小型犬だからといって、すべての犬種が同じように膝蓋骨内方脱臼になりやすいわけではありません。犬種ごとの遺伝的な骨格の特徴が大きく関係しており、ミニチュア・シュナウザーやジャック・ラッセル・テリア、中型寄りのビーグルでは比較的少ないことが知られています。
◉ なぜ小型犬に多いの?
実は、「体が小さいから」という単純な理由ではありません。
現在では、遺伝的に生まれつきの骨格の特徴があり、それが最も大きな原因と考えられています。
溝が浅いから外れるではなく、溝が浅く発育するということが指摘されています。
小型犬では、膝のお皿を真っすぐ動かす筋肉や靱帯の並び(専門的には大腿四頭筋機構)がわずかに内側へずれている犬が多く、そのため膝のお皿が内側へ引っ張られやすくなります。現在の病態理解の中心となっています。
また、小型犬では、大腿骨が内側へ曲がりやすい、脛骨が内旋しやすい、脛骨粗面が内側へ偏位しやすい、滑車溝が浅くなりやすい、股関節から足先までの骨軸が一直線になりにくいといった骨格異常の素因があると言われています。
この状態が続くと、お皿が収まる溝も十分に発達せず、さらに外れやすくなるという悪循環が起こります。MPL発症率は、報告によって差はありますが、小型犬では大型犬より発症率が著しく高いことが知られています。一部の研究では約12倍という報告もあります。
つまり、膝のお皿だけの病気ではなく、後肢全体の骨格バランスが関係する発育性の病気なのです。
さらに、肥満や滑りやすい床、繰り返しの高いジャンプなどが加わると、症状が悪化することがあります。
仮説ではありますが、ポメラニアン・チワワ・ミニチュアピンシャーを調べた研究で、雌では膝蓋骨自体がやや小さく、滑車溝との適合時間が短いことが、MPLへのなりやすさに関係する可能性がしさされています。
・トイ・プードルがパテラになりやすい理由
トイ・プードルは、膝蓋骨内方脱臼(パテラ)が多い犬種として知られています。

トイ・プードルは、後ろ足全体の骨格バランスがずれやすい犬種です。
他の小型犬と比べても、大腿四頭筋機構(大腿四頭筋・膝蓋骨・膝蓋靱帯・脛骨粗面が一直線に並ぶ仕組み)のわずかなずれが病気の中心と考えられています。
また、近年では「溝が浅いから外れる」のではなく、先に骨格のずれが生じ、その結果として溝の発育が不十分になるという考え方が主流になっています。
その理由は、生まれつき膝のお皿だけに問題があるからではありません。
実は、太ももの骨(大腿骨)やすねの骨(脛骨)、そして膝のお皿を支える筋肉や靱帯の並びが、わずかに内側へずれやすい骨格を持っている犬が多いと考えられています。
膝のお皿は、本来なら太ももの骨にある溝の中をまっすぐ動きます。しかし、骨や筋肉の並びが少しでも内側へ傾いていると、お皿は歩くたびに内側へ引っ張られてしまいます。
その状態が子犬の頃から続くと、お皿が収まる溝も十分に深く発達せず、さらに外れやすくなるという悪循環が起こります。
つまり、パテラは「膝のお皿だけの病気」ではなく、「後ろ足全体の骨格バランス」が関係する発育性の病気なのです。
さらに、フローリングで滑る生活や、高い場所からのジャンプ、体重の増加などが加わると、膝への負担が増え、症状が悪化することがあります。
そのため、トイ・プードルでは、若いうちから歩き方の変化に気付き、早めに診察を受けることが大切です。
・チワワがパテラになりやすい理由
チワワは、超小型犬のため、わずかな骨格のずれでも膝への影響が大きい犬種です。膝蓋骨内方脱臼(パテラ)が特に多い犬種の一つです。

その理由は、体が小さいことだけではありません。生まれつき、後ろ足の骨格や膝のお皿を支える筋肉・靱帯の並びがわずかに内側へずれやすい犬が多いと考えられています。
チワワは超小型犬のため、骨や関節も非常に小さく、少しの骨格のずれでも膝のお皿が内側へ引っ張られやすくなります。その状態で成長すると、お皿が収まる溝も十分に発達せず、さらに脱臼しやすくなることがあります。
また、ソファやベッドからの飛び降りや、フローリングで滑る生活は膝への負担を増やし、症状が悪化する原因になることがあります。
以下に示す点は、文献上でも支持されています。
「後ろ足を上げる」「スキップするように歩く」といった様子が見られたら、早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
・ポメラニアンがパテラになりやすい理由
ポメラニアンは、遺伝的な骨格の特徴を受け継ぎやすい犬種で、膝蓋骨内方脱臼(パテラ)が多く見られる代表的な犬種です。

最も大きな理由は、生まれつきの骨格の特徴が遺伝しやすいことだと考えられています。
膝のお皿は、太ももの骨にある溝の中をまっすぐ動くことで正常に働きます。しかし、ポメラニアンでは、太ももの骨やすねの骨の向き、膝のお皿を支える筋肉や靱帯の並びがわずかに内側へずれやすい犬がいます。
そのため、お皿は歩くたびに少しずつ内側へ引っ張られます。成長期にこの状態が続くと、お皿が収まる溝も十分に発達せず、さらに脱臼しやすくなることがあります。
また、ポメラニアンは活発でジャンプが好きな子も多く、ソファやベッドからの飛び降りや、滑りやすい床での生活が膝への負担を増やし、症状を悪化させることがあります。
そのため、子犬の頃から歩き方をよく観察し、違和感があれば早めに診察を受けることが大切です。
◉ こんな症状はありませんか?
□ 急に後ろ足を上げる
□ スキップするように歩く
□ 数歩すると普通に歩き出す
□ 散歩を嫌がる
□ ジャンプをためらう
□ 足を触られるのを嫌がる
このような症状がある場合は、一度診察を受けることをおすすめします。
◉ 自宅でできる予防
完全に予防することは難しい病気ですが、進行を遅らせるためにできることがあります。
・適正体重を保つ
・フローリングには滑り止めマットを敷く
・高い場所へのジャンプを減らす
・適度な筋力を維持する
・違和感があれば早めに診察を受ける
毎日の生活環境を整えることが、膝への負担を減らすことにつながります。
◉ 手術は必要なの?
すべての犬が手術になるわけではありません。
症状がなく日常生活に支障がなければ、経過観察できる場合もあります。
一方で、
・痛みがある
・何度も外れる
・歩き方が悪くなってきた
・グレードが高い
このような場合は、手術を検討した方がよいことがあります。
大切なのは、「グレード」だけではなく、「痛み」と「生活への影響」を総合的に評価することです。
◉ 東京ウエスト動物病院の診療
当院ではこれまで数多くの膝蓋骨内方脱臼の診療を行い、必要に応じて整形外科専門医と連携した治療を行っています。
当院では、膝蓋骨内方脱臼の診察を行い、歩き方や触診、必要に応じてレントゲン検査で状態を詳しく評価しています。
手術が必要と判断した場合には、整形外科手術を専門とする獣医師と連携し、一頭一頭に合わせた治療をご提案しています。
また、退院後も歩行の回復や生活の様子を確認しながら、継続してサポートしています。
◉ よくあるご質問
Q パテラは自然に治りますか?
残念ながら自然に治ることはほとんどありません。症状やグレードに応じて経過観察や手術を検討します。
Q 散歩してもいいですか?
症状が軽ければ散歩は可能ですが、長時間の運動や激しいジャンプは避けましょう。
Q 子犬でもパテラになりますか?
はい。生後4~6か月頃から診断できることがあり、若いうちに見つかる犬も少なくありません。
Q パテラは遺伝しますか?
遺伝的な骨格の特徴が関係すると考えられており、好発犬種では発症しやすいことが知られています。
Q ジャンプは禁止ですか?
症状が軽い場合は日常生活での軽いジャンプまで完全に禁止する必要はありません。しかし、ソファやベッドなど高い場所からの飛び降りは膝への負担が大きいため、できるだけ避けることをおすすめします。
Q サプリメントは効きますか?
サプリメントだけでパテラが治ることはありません。ただし、関節の健康維持や炎症の軽減を目的として補助的に使用されることがあります。症状が続く場合は、まず動物病院で診察を受けることが大切です。
Q 手術すると走れますか?
多くの犬で歩行の改善が期待できますが、重症度や関節の状態によって回復の程度は異なります。
◉ まとめ
膝蓋骨内方脱臼は、小型犬でよく見られる病気ですが、早期発見・早期対応によって進行を抑えられることがあります。
「少し歩き方がおかしいかな?」
そんな小さな変化が見られたら、是非ご相談ください。
愛犬がこれからも元気に歩き続けられるよう、一緒にサポートしていきます。
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