TWAH消化器内視鏡のご案内|東京ウエスト動物病院|東京都小平市学園東町の動物病院

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TWAH消化器内視鏡のご案内

1.内視鏡検査、内視鏡処置とはどのようなものでしょうか

.内視鏡検査、内視鏡処置

 

内視鏡による検査や処置とは、体を切開せずに、細い管状のカメラを口からあるいはお尻から入れて消化管の中を観察したり、採材などを行うことを指します。
一般的に「内視鏡検査」は消化器内視鏡検査を指しますが、ほかには鼻腔内視鏡、気管支内視鏡、胸腔鏡、腹腔鏡、膀胱鏡、関節鏡などがあります。ヒト医療では「胃カメラ」と表記されていることもあります。ペットにも胃がん、胃潰瘍、大腸、結腸などの疾患は時としてありますので、健康診断メニューのオプションの1つとして取り入れられる時代はやってきそうです。

2.消化器内視鏡検査の目的は下記の2つです。
2-1.
異物を飲み込んでしまった、摘出したい。
2-2.消化管の疾患が疑われる。

内視鏡が有用な消化管の疾患としては、炎症の結果、蛋白質が漏れ出てしまう蛋白漏出性腸症の原因となる炎症性腸疾患やリンパ管拡張症、消化管型リンパ腫などのほか、下部消化器疾患としては、直腸腺癌や炎症性ポリープ、出血性大腸炎などがあげられます。
他の疾患、例えば急性膵炎や消化管間質腫瘍(GIST ジスト)が

疑われる場合には、内視鏡検査ではなく、他の検査の併用がより有用と思われます。つまり、消化器内視鏡は、消化器疾患や消化管由来腫瘍の診断のためには有用ですが、どの病気に対しても有効な検査というわけではありません。腹部切開をしないメリットはありますが、すべてをカバーできるものではありません。

3.ペットの消化器内視鏡
消化器内視鏡には、口からカメラを入れる「上部消化器内視鏡」とお尻からカメラを入れる「下部消化器内視鏡」があります。異物を誤嚥(誤って飲み込む)してしまって摘出する場合は、上部消化器内視鏡となります。何かしらの消化器の疾患で、内視鏡を用いて消化管粘膜の生検を行う場合は通常「上部・下部」両方実施することもあります。ただし、疑っている疾患や、レントゲン検査や超音波エコー検査で明らかに【上部】、【下部】がわかっているケースでは、どちらか一方を行うことになります。
なお、消化管の上部、中部、下部と分けた場合、中部に内視鏡を進めることはできません。

3-1. 当院で使用している内視鏡
通常径タイプ(外径9.2mm)細径タイプ(外径5.2mm)の2種類を準備しています。

下図は、メイン部のOLYMPUS 動物用内視鏡システムセンター CL-260と光源装置CLV-260です。

動物用内視鏡システム動物用内視鏡システム OLYMPUS CL-260 CLV-260

3-1.通常径タイプ(外径9.2mm)のビデオスコープ GIF-Q240X 、外径9.2mmの通常径です。

ビデオスコープ ビデオスコープ GIF-Q240X、外径9.2mm(通常計)

3-2.細径タイプ(外径5.2mm)のビデオスコープ: GIF-XP260N 、外径 5.6mmの細径です。

ビデオスコープ GIF-XP260N、外径5.6mm(細径)

3-3. 鉗子類は、通常径タイプ(5種類)、細径タイプ(2種類)、計7種類を準備しています。

①生検鉗子 標準型 (通常径タイプ)

生検鉗子 標準型

②生検鉗子 V字鰐口 (通常径タイプ)

生検鉗子 V字鰐口

③把持鉗子 バスケット型 (通常径タイプ)

把持鉗子 バスケット型

④把持鉗子 五脚型 (通常径タイプ)

把持鉗子 五脚型

⑤把持鉗子 V字鰐口 (通常径タイプ)

把持鉗子 V字鰐口

⑥細径タイプ 生検鉗子 標準型

⑦細径タイプ 生検鉗子 V字鰐口

の7種類を備えています。

4.内視鏡で摘出できる異物とは?
ペットが異物を飲み込んでしまった時に、内視鏡を使えるか否かを検討することになります。

消化できないモノを飲み込んでしまった時、その処置は以下の4つのパターンがあります。

1.口から吐き出させる、嘔吐を誘発させる
2.便と一緒に排泄させる、24時間の観察
3.口から内視鏡を使って摘出する、全身麻酔下
4.
開腹して摘出する、全身麻酔下での手術

1の【口から吐き出す、嘔吐を誘発させる】
これは、自然に嘔吐して吐くこともあれば、薬剤によって吐かせる催吐処置の場合もあります。この場合は異物が胃内に入っていること、そしてその異物を確保するとしても、食道や咽頭を傷つけないようなものの場合に適応となります。
最近は、人の使い捨てマスクの使用率が高いので、置きっぱなしのマスクやお菓子の袋、飼主様が触っているイヤリング、靴下など様々な物を飲み込むことがあります。このようなケースでは催吐処置の適応となります。

5.異物を飲み込んだけど、内視鏡では取り出せない場合
非常に大きな異物(形状にもよりますが、目安として直径5センチ以上)であったり、大型犬では携帯電話、スマホなどの事例もあります。溶けたり吸収される異物[電池類、チョコレートや不凍液(エチレングリコールなど)]、その他、すでに胃内から小腸に移行してしまった異物は内視鏡では取り出せません。内視鏡での異物摘出は食道内、胃内にある物に限られます。

6.異物摘出以外の内視鏡検査
異物以外では消化管疾患で、特に消化管の粘膜面に病変があることが疑われる場合に消化管の内視鏡検査の適応となります。上部消化管は口から小腸近位まで、下部内視鏡は肛門から小腸遠位まで観察することができます。口から入れても肛門から入れても、小腸の中央部の観察はできませんのでこのエリアの異常が考えられる場合には内視鏡の適応ではないかもしれません。しかし、内視鏡検査を実施しようか考慮するような、びまん性粘膜疾患は、その他の箇所にも何らかの異常を呈していることもあるため、一番の異常箇所ではないが診断価値のある検査につながることもあります。

7.内視鏡検査・処置の費用
消化管内視鏡はほとんどの場合、全身麻酔下で行われます。直腸近位で生検をしない、経過観察のための内視鏡検査の場合には麻酔なしで行う場合もあります。

内視鏡検査の基本的な費用としては、
1. 麻酔前検査費
2.全身麻酔費
3. 内視鏡検査費
となります。

これらは、検査を行う施設、異物なのか否か、消化器系の部位(上部・下部・上下共)によって、時間も変わるため、麻酔料金や内視鏡料金はその内容や施設によって異なります。
当院で上下内視鏡検査を行う場合には通常1時間程度で終わりますが、比較的短時間で済むケース、長く時間がかかるケースもあり、麻酔費用や技術費用に幅が出てきます。
その他に付随するものとしては疾患やその症例の状態によって、点滴費用、生検を行った場合には病理組織検査費用、追加の入院費用、追加の治療費用などが含まれてくることもあります。異物などが取れずにそのまま開腹手術になることも考えられます。

8.内視鏡検査のメリットとデメリット
メリットは、催吐処置や開腹手術と比較して、消化管内部を調べることができて、麻酔から覚めた後も強い痛みを示す場所が小さいということがあります。また、催吐処置と比較して、安全に異物を取り出すことができます。

飽和食塩水やオキシドールを飲ませて催吐させるという方法もあります。これは胃粘膜などへのダメージもあるため、今ではほとんど行われることはありません。他方、静脈注射や点眼による方法で嘔吐させるやり方は現在よく行われています。

催吐処置や開腹手術と比較してのデメリットとしては、催吐処置と比較すると、費用が高く、全身麻酔が必要ということがあげられます。
内視鏡検査の内容として、消化器全体に目が届かないというデメリットもあります。開腹手術の場合は、おなかの中にある臓器すべてが確認できます。
また、「異物を飲み込んでしまい内視鏡検査を行ったけど、結局取れずに開腹手術を行った」というような、内視鏡検査ではとれる異物と取れない異物があるのに対し、開腹手術では基本的にすべての消化管内異物は摘出することができます。
当院では、ペットへの内視鏡検査や処置に対して経験豊富な獣医師が在籍しております。
異物誤嚥、嘔吐、下痢などの消化器症状でお困りの際はご相談下さい。


Web問診はこちら – 東京ウエスト動物病院 TEL:042-349-7661   FAX: 042-349-7662
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