スタッフこらむ
STAFF COLUMN
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今回は、わかることシリーズ1「眼圧とシルマーテスト」の2つの検査法についてまとめていきたいと思います。
当院では、眼の病気についての外来数は非常に多いです。神経学的眼科検査や一般眼科検査はベーシックな検査なのですが、その中でも特に重要な検査である眼圧測定検査と涙の量を計るシルマーティアテストについて簡単にご紹介します。
目の治療を行っている方ならよく聞く言葉だと思います。では実際、どのようにして検査をしているのか、また検査をすることでなにがわかってくるのかをこれから説明していきます。
●眼圧測定(IOP)
眼圧(目のコリコリ感)を数値化し見える化するものです。眼の中には、眼房水と呼ばれる栄養いっぱいのきれいな液体が流れています。その眼房水の量や流れによって眼圧の値が決定されます。眼圧は眼の丸い構造を内側から支えているわけです。眼圧が高いと眼の張り(コリコリ感)を強く感じ、逆に低いと軟らかい感触が得られます。
眼圧が高いと高眼圧状態や緑内障という診断になり、眼内痛や炎症がひどい場合は最悪、失明してしまうこともあります。また、低すぎる時は背景に、眼内の炎症(ブドウ膜炎、角膜の炎症、網膜の炎症など)が考えられます。早めの対処が必要です。
犬の正常値は10~20mmHg、猫では15~25mmHgで、当院ではトノベットプラスと呼ばれる下の写真の眼圧計を使用しています。
当院で使用中の眼圧計トノベットプラス
眼圧測定中の様子
●シルマティアーテスト(STT)
涙の量を調べる検査になります。下の写真の tear Q-Check を用いています。
下瞼に試験紙をそっと差し込み、5秒間でどのくらい吸い込まれるかを見ていきます。下の写真を参照して下さい。
涙の量、測定中
犬猫ではだいたい 8~13mm が正常な値です。それより少なければ涙の量が減っている、多ければ涙の量が増えているということになります。しかし、ここで数値の解釈については、ちょっとしたひねりが必要です。
基本的に涙の量が少ないと「乾性角膜炎」といって、みなさんがよく聞く「ドライアイ」という診断になります。ドライアイには、なみだを増やす点眼、なみだを角膜に留める点眼、角膜を保護するヒアルロン酸点眼や人工涙液点眼などが必要になります。しかし、なみだの量が多すぎても問題があります。ドライアイによって目が乾き、その痛みで刺激されることから一時的に涙量が増えている可能性が考えられるからです。これはなみだやけにつながります。
その場合も、同じようにドライアイに対する治療を行っていきます。
今回は紹介していませんが、同時に角膜のフルオール染色の検査や瞼結膜の検査も一緒に行うとよりドライアイの確定診断へと繋がります。
いかがでしたでしょうか。眼の病気は急に悪化することもあり、早く対処しないと失明や治りが悪くなることもあります。目のショボつきや目ヤニ、なみだの量などいつもと違う様子を感じたら、なるべく早く病院を受診するようにしましょう! KS
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