トーキョーウエストブログ
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〖東京都・小平市 東京ウエスト動物病院〗
犬のパテラは手術した方がよいのか、様子を見てもよいのか。膝蓋骨内方脱臼のグレードだけでなく、痛み、歩き方、スキップ歩行、生活への影響から判断する目安を獣医師がわかりやすく解説します。
「動物でパテラと言われたけれど、すぐに手術が必要なのか分からない」
「グレード2と言われたけれど、このまま様子を見てもよいのか不安」
「まだ歩けているので、手術までは必要ないのではないか」
など、犬の膝蓋骨内方脱臼、いわゆるパテラと診断されたあと、飼い主様が一番悩まれるのは、手術をするべきか、様子を見てもよいのか、という点です。
結論からお伝えすると、パテラは「グレードだけ」で手術を決める病気ではありません。
グレードはとても大切な目安ですが、それに加えて、痛みがあるか、歩き方に異常があるか、外れる頻度が増えているか、日常生活に支障があるか、今後悪化する可能性があるかを総合して判断します。
この記事では、犬のパテラで「手術を考えた方がよいケース」と「まずは様子を見ながら管理することが多いケース」について、できるだけわかりやすく解説します。
・後ろ足を上げる、スキップ歩行などの初期症状についてはこちら
・トイ・プードル、チワワ、ポメラニアンなど、なりやすい犬種についてはこちら
・パテラのグレード1〜4と手術が必要な目安についてはこちら
▇ パテラとは?
パテラとは、膝のお皿である膝蓋骨が、本来の位置から内側へ外れてしまう病気です。正式には膝蓋骨内方脱臼(MPL: Medial Patellar Luxation)と呼ばれます。
特にトイ・プードル、チワワ、ポメラニアンなどの小型犬で多く見られます。初期には、後ろ足を一瞬だけ上げる、数歩だけスキップする、歩いている途中で急に足を浮かせる、といった症状が見られることがあります。
軽い場合は痛みが目立たず、普段通り元気に見えることもあります。しかし、膝のお皿が何度も外れる状態が続くと、膝の関節に負担がかかり、痛み、歩き方の悪化、関節の変化、膝の中の大切な靱帯への負担につながることがあります。
▇ 手術するかどうかは「グレードだけ」では決まりません
パテラは、膝のお皿の外れやすさによってグレード1からグレード4に分類されます。
ただし、同じグレード2でも、ほとんど症状がない子もいれば、毎日のように後ろ足を上げる子もいます。同じグレード3でも、痛みが強い子、筋肉が落ちている子、反対側の足にも負担が出ている子など、状態はさまざまです。
そのため、手術を考えるかどうかは、次のような点を合わせて判断します。
・痛みがあるか
・後ろ足を上げる頻度が増えているか
・スキップ歩行が続いているか
・散歩や階段を嫌がるか
・筋肉が落ちてきていないか
・体重が膝に負担をかけていないか
・反対側の足にも問題がないか
・年齢や生活環境から、今後悪化する心配があるか
つまり、パテラの治療では、レントゲンやグレードだけでなく、実際の歩き方と生活への影響を見ることがとても大切です。

▇ まずは様子を見ながら管理することが多いケース
次のような場合は、すぐに手術をせずに管理しながら経過を見ることがあります。
・グレード1
・症状がほとんどない
・痛みがない
・普段の歩き方に大きな問題がない
・後ろ足を上げる頻度が少ない
・筋肉量が保たれている
・日常生活に支障がない
このようなケースでは、体重管理、床の滑り止め、ジャンプの制限、定期的な診察などを行いながら、悪化していないかを確認していきます。
ただし、ここで大切なのは、様子を見る=何もしない、ではないということです。
「痛みが出ていないか」「足を上げる回数が増えていないか」「散歩を嫌がるようになっていないか」「筋肉が落ちていないか」を確認しながら、必要に応じて治療方針を見直します。
▇ 手術を前向きに考えるサイン
次のような変化がある場合は、早めの再診をおすすめします。すぐに手術と決まるわけではありませんが、膝への負担が強くなっている可能性があります。気になる様子が見られる場合は、歩き方の動画を撮影し、早めにご相談ください。

このようなサインが続く場合は、
無理をさせずにご相談ください。
「手術を急ぐサイン」 は以下のような様子です。
✔足を何度も上げる、
✔痛がる、
✔散歩を嫌がる、
✔急に悪化した、
✔膝が外れたまま戻りにくい、
✔反対の足もかばう
また、手術を前向きに考える状況は、以下のような場合です。
・後ろ足を上げる回数が増えている
・スキップ歩行が何度も見られる
・散歩中に止まる、歩きたがらない
・階段や段差を嫌がる
・痛みがある
・膝のお皿が外れたまま戻りにくい
・筋肉が落ちてきている
・グレード2でも症状がはっきりしている
・グレード3以上で歩行への影響がある
・前十字靱帯断裂や関節炎のリスクが心配される
特に、「たまに足を上げるだけ」だった状態から、「最近よく足を上げる」「散歩の途中で歩き方がおかしい」「抱っこを求めることが増えた」という変化がある場合は、早めの再診をおすすめします。
パテラは、軽い時期には目立たないこともありますが、膝に負担がかかり続けると、あとから痛みや関節の変化が出てくることがあります。手術が必要かどうかを決めるためにも、症状の変化を見逃さないことが大切です。
▇ グレード2は特に判断に迷いやすい
飼い主様からのご相談で多いのが、グレード2のパテラです。
グレード2では、膝のお皿が外れたり戻ったりします。そのため、診察室では普通に歩いていても、自宅ではスキップ歩行が出ることがあります。
症状がほとんどないグレード2では、体重管理や生活環境の改善を行いながら経過を見ることがあります。一方で、後ろ足を上げる回数が多い、痛みがある、散歩を嫌がる、筋肉が落ちている、といった場合は、手術を検討することがあります。

つまり、グレード2だから必ず手術、というわけではありません。反対に、グレード2だからまだ大丈夫、と言い切れるわけでもありません。
その子の歩き方、痛み、生活への影響、将来の悪化リスクを見ながら判断することが大切です。
▇ 様子を見る場合にご家庭で気をつけたいこと
手術をしないで経過を見る場合でも、ご家庭での管理はとても重要です。
まず大切なのは、体重管理です。体重が増えると、膝にかかる負担も増えます。特に小型犬では、少しの体重増加でも膝への負担が大きくなることがあります。
次に、床の滑り止めです。フローリングで滑る環境は、膝に負担をかけます。よく歩く場所にはマットを敷く、足裏の毛を短くする、爪を適切に切るなどの対策が大切です。
また、ソファやベッドからの飛び降り、急なダッシュ、激しい方向転換は、膝に強い負担をかけることがあります。段差にはステップを使う、抱っこで下ろす、滑りやすい場所で走らせないなど、生活環境を整えてあげましょう。

散歩は、完全にやめる必要はありません。無理のない範囲で歩くことは、筋肉を保つために大切です。ただし、足を上げる、途中で止まる、痛がる様子がある場合は、無理をさせずに動物病院へご相談ください。
▇ 診察時には歩き方の動画がとても参考になります
パテラの症状は、診察室では出ないことがあります。
ご自宅ではスキップしているのに、病院では普通に歩く、散歩中だけ後ろ足を上げる、朝だけ歩き方がおかしい、このようなことは珍しくありません。
そのため、気になる歩き方がある場合は、スマートフォンなどで動画を撮っておくことをおすすめします。
動画を撮るときは、後ろからの撮影、横からの撮影、散歩中に足を上げる様子、階段や段差での動きなどが分かると診察の参考になります。

▇ 東京ウエスト動物病院での診察と判断
東京ウエスト動物病院では、パテラと診断された子に対して、グレードだけでなく、実際の歩き方、痛み、筋肉量、生活への影響を確認しながら治療方針を考えます。
必要に応じて、触診、歩行確認、レントゲン検査などを行い、膝の状態を評価します。
手術が必要と考えられる場合でも、すぐに手術を決めるのではなく、飼い主様に現在の状態、今後のリスク、手術の目的、術後の管理についてご説明します。
また、手術が必要な症例では、整形外科の手術に精通した獣医師と連携し、その子にとってより安全で適切な治療を検討します。

大切なのは、「手術をするか、しないか」だけではありません。今の状態を正しく把握し、将来の歩き方を守るために、どのタイミングで何をするべきかを一緒に考えることです。
▇ まとめ
犬のパテラは、グレードだけで手術を決める病気ではありません。
症状が軽く、痛みがなく、生活に支障がない場合は、体重管理や生活環境の改善を行いながら経過を見ることがあります。一方で、足を上げる回数が増えている、スキップ歩行が続く、痛みがある、散歩や階段を嫌がる、筋肉が落ちている場合は、手術を前向きに考えることがあります。
「まだ歩けているから大丈夫」と思っていても、膝への負担が続いていることがあります。反対に、パテラと診断されたからといって、すぐに手術と決まるわけではありません。
気になる歩き方がある場合は、動画を撮ってご相談ください。東京ウエスト動物病院では、その子の歩き方、痛み、生活環境、将来のリスクを含めて、飼い主様と一緒に治療方針を考えていきます。
参考資料
・ACVS: Patellar Luxations(Medial Patellar Luxation, MPL)
・Today’s Veterinary Practice: Canine Patellar Luxation: Diagnosis and Treatment Options for General Practitioners
・2018年の犬の膝蓋骨脱臼に関するレビュー論文
「パテラ手術について詳しくはこちら」(準備中)
Web問診はこちら – 東京ウエスト動物病院 TEL:042-349-7661 FAX: 042-349-7662
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