胆嚢の疾患について – 東京ウエスト動物病院|東京ウエスト動物病院|東京都小平市学園東町の動物病院

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胆嚢の疾患について – 東京ウエスト動物病院

胆嚢の疾患には胆のう炎、胆泥症、胆嚢粘液嚢腫、胆石、胆嚢腫瘍などがあります。

1.そもそも胆嚢とは
胆嚢は肝臓に付いている袋状の構造物で、肝臓で作られた胆汁を蓄えるところです。胆嚢内の胆汁は通常、濃縮された状態となっています。食事をすると胆嚢が収縮し胆汁が総胆管を通って十二指腸に分泌されます。この胆汁は食べ物として摂取した脂肪成分の消化吸収に大切な役割を果たします。

胆嚢、総胆管の位置胆嚢と総胆管の位置

2.胆嚢の病気について
2-1.胆のう炎:胆のう炎は、胆のうに炎症が起こる病気です。細菌感染、胆石症、膵炎、肝障害、腸炎、胆管炎などから併発することが知られています。
このような炎症が引き起こされると胆汁の性状は変化すると言われています。この結果、胆泥症に進んだり、胆嚢粘液嚢腫、胆石などに増悪することもあります。

2-2.胆泥症:原因ははっきりとはわかっていません。胆のうの運動障害や粘液の過分泌などとの関連性は疑われています。溜まった胆汁が濃縮・変質し、通常のお汁状態ではなく、泥状になったものを言います。犬では比較的多く見られます。


犬の胆泥症 超音波エコー検査
犬の胆泥症

別の病気、例えば、胆のう炎、内分泌系疾患(糖尿病、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)、膵炎、肝障害、腸炎などに伴って胆嚢内の胆汁の性状が変わり、胆泥症になるとされています。
この胆泥状態での変化がさらに進むと胆嚢粘液嚢腫になることもよく知られています。

2-3.胆嚢粘液嚢腫:原因は特定されていませんが、胆嚢壁での粘液(ムチンという糖タンパク質)の産生が過剰に引き起こされたものです。胆嚢の中にゼリー状の物質が溜まったものです。胆泥症から胆嚢粘液嚢腫になることは多いです。

犬の胆嚢粘液嚢腫

ムチンという粘液物質が増加し、胆汁の分泌(流れ)が傷害されるようになると黄疸や胆嚢破裂による腹膜炎など重篤な状態を引き起こすリスクが出てきます。
中~高齢の犬に多く、加齢による胆嚢壁の構造変化や胆嚢の運動性低下も要因の1つと考えられています。高脂血症の犬に多く、また、遺伝的な脂質代謝異常の多い品種(ミニチュアシュナウザー、シェルティー、コッカースパニエルなど)のほか、近年ではチワワ、ポメラニアン、トイプードルなどにも多く見られます。

2-4.胆石症:胆泥がさらに変質して石になったものを胆石症といいます。犬では時々見られます。胆嚢内に作られることもありますが、胆汁の通り道である総胆管が詰まってしまい、黄疸や胆嚢破裂、腹膜炎などを引き起こす可能性はあります。

犬の胆石症犬の胆石症

犬の胆石症(レントゲン所見)、犬の胆石症(レントゲン所見)上のエコーと同じ犬

人ではコレステロールが原因とされていますが、犬ではカルシウム塩が結晶化することで胆石症になります。
シーズー、ミニチュアダックス、ミニチュアシュナウザー、シェルティーなどに見られます。

2-5.胆嚢の腫瘍:胆嚢の腫瘍では、良性腫瘍のほか、悪性の胆嚢がんを認める場合もあります。腫瘍の事例は少ないと思われますが、当院では胆嚢内の平滑筋腫の例を経験しています。この子については胆嚢切除を施し、問題ない経過を得ています。


犬の胆嚢内の腫瘍犬の胆嚢腫瘍

犬の胆嚢腫瘍(平滑筋腫)手術中の胆嚢の腫瘍(外観*)

胆嚢内の腫瘍(平滑筋腫)胆嚢内の腫瘍(平滑筋腫)

3.胆嚢疾患の症状
肝臓系は、許容能力が高い臓器で神経も走行していないので“痛い!”という感覚が通常ありません。従って、特段の症状は示さないことが多いです。通常、健康診断での血液検査、レントゲン検査、超音波エコー検査などで見つかることになります。

症状(食欲不振、嘔吐、発熱、腹痛、軟便など)を伴う場合は、胆のう炎、二次的な肝障害、胆泥・粘液嚢腫・胆石などによる総胆管の通過障害や部分的な閉塞が起こっていることを示します。また、総胆管が完全に閉塞すると黄疸が見られます。このような状況では手術を考慮すべき段階と言えます。さらに悪くなると、胆嚢や胆管の一部が裂け、胆汁が漏れ出し腹膜炎を起こすこともあり、激しい腹痛などを伴うようになります。

4.胆嚢疾患の検査・診断
超音波エコー検査を始め、身体検査、血液検査、レントゲン検査などで特定することができます。

5.胆嚢疾患の対処
5-1. 内科的ケア:胆嚢所見が軽度であれば、内科的治療と食事療法(低脂肪食など)で対応します。改善の有無を確認するために定期的な経過観察は必要です。

5-2. 外科的ケア:内科的治療などに効果が得られなかったり、増悪する場合は外科手術による胆嚢切除術をお勧めします。増悪して全身状態が悪くなってからの手術はリスクが高いので、できるだけ早い時期での判断が求められます。
当院としては、ペットの状態や飼主様との十分な話し合いは必要と考えていますが、自覚症状が出る前での早い段階での手術をお勧めしています。このことにより術中・術後の高い死亡率を回避することができます。

手術を考慮する場合は、前検査としての全身評価をお勧めしています。
前検査:
・身体検査
・血液検査
・内分泌系検査
・レントゲン検査
・超音波エコー検査
・心電図検査
・尿検査

胆嚢切除術:
手術の実施に当たっては、超音波手術器ソノキュアを用いた安全度の高い手術方法を取り入れています。

超音波手術器 ソノキュアソノキュア

超音波手術器 ソノキュア

6.胆嚢疾患の予防
フードの与えすぎや過度の高カロリー、高脂肪のフードなどは与えないように注意し、栄養バランスに富んだフードで、適切な量を維持するようにしましょう。人間と一緒に生活しているとついジャーキー等のおやつを与えたり、人間の食べ物を与えがちです。一旦その癖をつけてしまうと、素っ気ないドッグフードよりも人間が食べてる美味しそうな食べ物をせがみ、私たち飼い主もそれに応えてしまいます。

そうなると、ドッグフードを食べなくなり、飼主も食べてくれないと心配なのでさらにそのようなフードに偏りがちになっていきます。肝臓や胆嚢に負担をかけ続けることになり、やがて胆嚢粘液嚢腫を招いてしまうわけです。予防には適度な散歩や運動も心がけていただけると良いと思います。

胆嚢疾患は、健康診断で見つかるケースはとても多いので、元気だから必要ないではなく、積極的に健康診断を活用するようにして下さい。当院では、春と秋に健康チェックや健康診断のGood Life プランを提供しています。

胆嚢、肝臓は沈黙の臓器と言われ、目一杯耐えて頑張る臓器です。いよいよ駄目となった時点で急に発症します。その時にはかなり深刻な状況と考えられます。また、基礎疾患としての胃腸疾患、胆のう炎、高脂血症、高血圧症、内分泌系疾患(糖尿病、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症など)が見つかった場合は一緒に対応することが必要になります

7ちなみに、人での健康な胆嚢機能を保つための食生活の改善点というのを以下に集めてみました。
・食物繊維の多い食材を摂る、または食物繊維のサプリメントを摂取する。
・生食のものを増やす。
・脂質の少ないオーガニックの上質のたんぱく質をとる。
・プロバイオテイックス(善玉菌)のサプリメントをとる。またはコンブ茶、キムチ、サワークラウトなどの発酵食品を一日一回は取る。
・ココナッツオイル、アボカドオイルなど上質の脂質を摂り、大豆油、コーン油、菜種油など炎症を起こさせる油の摂取はやめましょう。
・揚げ物、砂糖、精製された穀物(穀物全般をやめることを勧める医者および研究者もいます)の摂取を極力控える。
・アレルギーを起こす食材を断つ。
また、毎日の運動は胆嚢機能を良くするのに欠かせないこととして推奨されています。

嘔気、吐く、軟便、下痢、お腹の痛みなど消化器系の症状がある際は、診察 をお勧め致します – 東京ウエスト動物病院

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