トーキョーウエストブログ
TOKYO-WEST-BLOG
トーキョーウエストブログ
TOKYO-WEST-BLOG
【眼科に強い 東京都・小平市にある東京ウエスト動物病院 の経験豊富な獣医師が解説】
「目の傷がなかなか治らない」
「点眼しているのに良くならない」
そんなご相談は少なくありません。
実は、角膜の傷はある段階を超えると“手術が必要になること”があります。
この記事では、
・どの状態で手術になるのか
・どんな手術があるのか(ベストな手術法を選ぶ)
・どこまで回復が期待できるのか
をわかりやすく解説します。
■なぜ治らないことがあるのか
通常の単純な傷であれば点眼などの治療で治りますが、次のような場合は効果が期待できず、治りにくくなる場合もあります。
☆ 特発性のタイプ
☆ 充分なケアがなされなかったり、放置されたり、適切な治療が遅れ、複雑な状態になった
☆ 傷が深い
☆ 細菌感染がある
☆ ドライアイがある
☆ 角膜が弱くなっている
☆ 異物やまつ毛の刺激が続いている
■放置するとどうなる?
角膜潰瘍は軽く見るべきではありません。進行すると角膜がどんどん薄くなる、穴があく(角膜穿孔)、強い痛み、失明、最悪の場合、全眼球炎、眼球摘出となるリスクもあります。「ただの傷」ではありません。
■こんな症状は要注意(手術の可能性あり)
以下の所見がある場合は早めの対応が必要です。
★ 何日も治らない
★ 目を開けられない
★ 白く濁っている
★ 目がへこんで見える
★ 涙や黄色の目やにが多い
この段階では内科治療だけでは難しいことがあります。
■外科的治療(手術)が必要になるケース
手術が必要になるのは主に以下のようなケースです。
✔ 深い潰瘍
✔ 溶けていく潰瘍(融解性潰瘍)
✔ 穴があく直前
✔ 穿孔している(目が虚脱9
角膜の傷が浅いケースでは治癒促進が主となりますが、深い深刻なケース、例えば、角膜が破けそうな状態、破けてしまったようなケースでは、傷ついた角膜を被うフラップ手術を行い、角膜を保護して安定した治癒に誘導することがあります。
■手術の選択は傷の重症度に応じて使い分けを!
当院での術式は、角膜の傷の重症度に応じて3種類の方法を使い分けています。
1.眼瞼で角膜を被う方法(コンタクトレンズを併用するん場合もあり)
2.瞬膜と球結膜を利用する方法
3.球結膜を利用する方法
どの方法も目を守るためのテクニックです。
□ 基本的な考え方
1.角膜の傷の治りを早くする。
2.角膜本来の透明感を取りもどす、つまり、より見えやすくする。
3.フラップをかける際に、眼球を圧迫しないようにし、眼球の本来の丸さを保つ(目へのストレス緩和を第1に考える)。それにより、眼内炎症による組織癒着を防ぎ、眼圧上昇や眼球の変形など起こさないように配慮する。
3種類の角膜フラップ手術の実例
当院での術式は、角膜の傷の重症度に応じて3種類の方法を使い分けています。
1.角膜表層の比較的浅い傷に対するケア
障害が浅く、軽い場合は、上下の瞼を利用した眼瞼フラップ処置を用います。

また、フラップではないですが、角膜用のコンタクトレンズを使用あるいは併用することもあります。レンズには青色のマーカーが付いています。

2.角膜が破けそうな深い傷に対するケア
障害が深く、破けそうな角膜に対する処置で、瞬膜と球結膜を利用するフラップ手術です。

傷ついた角膜の表層は瞬膜の裏面(粘膜面)で被われています。このため角膜に癒着しません。
3.角膜が破けて(穿孔)、眼球虚脱の状態に対するケア
破けた角膜に対するフラップ手術です。
球結膜を傷ついた角膜の全周囲に縫い付けてあります。

■痛みはあるの?
角膜潰瘍は、非常に痛い病気です。目をつぶる、涙が出る、顔をこする、こうした症状は“痛みのサイン”です。
■手術で見えるようになるの?
これは状態によります。
軽度 → 視力回復しやすい
中等度 → 回復する可能性あり
重度 → 視力が残らないこともある
ただし、手術しなければ失明になったり、眼球摘出になったりするケースも多いです。
■当院の考え方
当院では、「できるだけ目を残すこと」、「痛みを取ること」を最優先にあきらめない治療を目指しています。
■こんな場合はご相談ください。
・点眼しているのに良くならない
・目を開けにくそう
・白く濁ってきた
早めの診察が視力を守るポイントです。
■治療は“時間との勝負”です。
角膜潰瘍は、進行がとても速い病気です。もう少し様子を見ようが取り返しのつかない結果になることもあります。
※ 角膜に傷がある時の兆候(おうちでの観察ポイント)
角膜は神経が多いため傷つくと痛みが出ます。軽度な場合は、眩しそうに目を細めたり、涙が多くなったり、白目の部分が赤くなることも多いです(赤目)。もう少しひどくなると、前足で目を擦ろうとしたり、擦りつけようとすることもあります。もっとひどくなったり、破けた時は、目は開かなくなり、目の中の水(房水)や組織が一部出てくることもあります。

当院では、目の本来の『視る力を取り戻す』ことを目標に、あきらめない眼科治療をめざしています。
Web問診はこちら – 東京ウエスト動物病院 TEL:042-349-7661 FAX: 042-349-7662
角膜フラップ手術の考え方 – 2009年06月29日