1歳からの猫の心臓検診
Checkup for cats
1歳からの猫の心臓検診
Checkup for cats
見た目は特に問題なくとても元気に過ごしていた若い猫ちゃん、ある日のこと、飼主様が仕事から帰ると『突然呼吸が速くなり、動けない。』状況を目の当たりに。
病院に行って、心臓の検査を行うことになりました。検査の結果、肥大型心筋症から動脈血栓症を引き起こし後肢が全く動いていない状態と判明。さらに肺水腫も引き起こしていました。
いろいろな対処は行いましたが、わずか2日後、多臓器不全の状態に陥りこの子は亡くなってしまいました。
飼主様からすれば、ほんの数日前までいつも通り元気に過ごしていた子が、突然命を失い、あまりにも信じられない出来事だったと思います。
この病気は、もっと早く気が付けていたらもう少し対処ができたと、本当に残念でなりませんでした。
このような猫ちゃんの事例は時々遭遇し、血栓症で来院される猫の元ほとんどが突然症状が出るため気づかれないことが多いです。元気に見えていても若いうちから心臓の検査をしておくことで、早期発見、早期治療が重要だと強く感じました。
動物病院で獣医師の診察、聴診、超音波エコー検査などを受けていただくことで、病気を発見することができます。検査時間は30~60分程度です。
猫は、犬に比べると動物病院に来る機会がとても少ないです。特に若い頃は、何か目立ったサインがない限り、病院にかかることは先ずないでしょう。しかし、目に見えない部分で、思いもよらないことが起きていることがあります。そのひとつが心臓の病気です。
猫の呼吸促迫の動画事例(重度例)
心臓病の発見はまず聴診器で心雑音が確認されることで次の詳しい検査ステップに進みます。しかし、猫の心筋症の場合は心雑音が出ないタイプもあるため、右の下の動画に示すように呼吸促迫などの症状が出た時にはかなり進行してしまっていることが多いのです。
猫の呼吸促迫の動画事例(重度例)
心臓病というと、高齢での病気と思われがちですが、3~4歳などの比較的若い子でも心筋症が原因で、血栓症や胸水・肺水腫を引き起こして来院されるというケースもあります。
実際、猫の突然死の原因として心筋症や不整脈が大きく関わっている可能性もあります。飼主様にあっては、心臓検査の必要性をより身近に感じていただきたいと思いますし、動物病院としてはその必要性をお伝えてしていきたいと思います。
Course of treatment
ふだんの呼吸の様子、後ろ足のふらつき、力がはいらないなど詳しい聞き取りから心臓の音など身体検査を進めます。
心臓の形態的異常や血流の異常がないかを確認します。エコーマシンは GEのVivid S60N で、心臓の観察に特化した超音波装置です。
心臓の超音波エコー図検査に習熟した経験豊かな循環器科専門認定医スタッフによるレベルの高い検査となります。心臓に対するポイントオブケア超音波エコー図検査フォーカス(Focus Cardiac Ultra Sound)をはじめさまざまな技術を駆使して検査に当たります。
心臓の大きさ、血管・気管の走行、肺野を観察します。
リズム不整(不整脈)の検出などを観察します。
血圧の異常により心臓にはさまざまな影響が及ぼされるため確認をします。
上記3~5種類の検査を基本とします。他に必要に応じて追加検査、血液検査(全身状態の評価、心臓バイオマーカー、甲状腺ホルモンなど)をご提案することはあります。
心臓検査で問題がない場合はそのまま経過観察となります。
心筋症の疑いや発症が確認された場合は、薬物療法(抗凝固剤、抗血小板剤、利尿剤、β遮断薬、ACE阻害薬など)、栄養管理(タウリンなどの提供など)、定期的なフォローアップ(症状の観察と治療の調整)が基本になります。重篤な場合は入院治療が必要になることもあります。
なお、ご紹介いただきました症例の治療方針につきましては、飼主様のご希望やご依頼獣医師様のお考えを最優先にさせていただきます。
ただし、ご紹介いただいた疾患に関連のない診療科については、原則として紹介元施設様でのご対応をお願い致しております。
Information
カードでのお支払いもできますが、一部取扱い不可のものもあります。
心臓の検査には30~60分ほどを要します。そのほか血液検査系は当日中に結果は出ます。外注検査系は後日の結果連絡となります。
※ご予約状況によりお預かり検査となる場合もあります。