スタッフこらむ
STAFF COLUMN
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今回は、抗がん剤治療についてお話します。
まず、腫瘍に対して主な治療には、外科手術、放射線療法、化学療法があります。
外科手術と放射線療法は腫瘍自体に対して行われる局所療法です。一方で化学療法は体内に抗ガン剤を投与することで、腫瘍が存在する場所だけではなく体全体に効果を発揮する全身療法です。
肺や肝臓、リンパ節などに転移してしまったり、リンパ種、白血病などのようないわゆる「血液のガン」には、全身に行渡る化学療法(抗ガン剤)を行います。抗がん剤は、腫瘍だけではなく正常な組織へも作用するため、副作用が出ることがあります。
副作用としては、
骨髄毒性:好中球減少症、血小板減少症など
消化器毒性:嘔吐、下痢、食欲不振など
脱毛症
細菌などの病原体と戦ううえで好中球は主力となる免疫細胞なため、好中球減少症が発生すると病原体の侵入に対して無抵抗となるため、敗血症などの命に関わる危険な状態へと陥ってしまいます。

次に、人と動物の抗がん剤治療のちがいについてお話します。
人のがん治療では、がんの種類や進行度に応じて、治癒や延命、症状の緩和などを目指します。
治癒とは、根治と同じ意味であり、この状態へと至ることができた場合、再発や転移は認められません。
動物のがん治療では、骨髄移植や無菌室での治療が必要となるほど重度の好中球減少症が発生しないように、抗がん剤の用量を調節して投与します。
そのため犬猫では生活の質を重視して投与量を調整しますが、まれに重い副作用が起こることもあります。
犬猫の抗がん剤治療では、生活の質を保ちながら、寛解や病気の進行抑制を目指します。病気によっては治癒を目指せる場合もあります。寛解とは、臨床症状や検査での異常が認められなくなった状態です。
飼い主様に見てもらいたいポイント
①元気(ぐったりしていない?、熱はない?)
②食欲(食べる量少なくない?)
③おしっこ(血尿してない?、赤くない?)
④消化器症状(嘔吐、下痢していない?)
動物ががんと診断されたとき、一緒にいられる時間は限られているかもしれません。
その残された時間がどれだけ短くても、少しでも元気に、少しでも長く、そして「がん」のことを忘れて穏やかに過ごしてほしい。そのような願いから、抗がん剤治療を選択される飼い主様は多くいらっしゃいます。
一方で、抗がん剤治療によって副作用が出てしまい、辛い思いをさせてしまう可能性もあります。
また、治療には時間的・経済的なご負担も伴います。
だからこそ私たちは、治療そのものだけでなく、ご家族の不安や迷いにも寄り添いながら、一緒に考え、支えていきたいと思っています。
どんなに些細なことでも構いません。気になること、不安なこと、迷っていることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。
その子とご家族にとって、最善の時間を一緒につくっていきましょう。東京ウエスト動物病院 認定看護師 S