愛猫の体重は? – 肥満(栄養失調)|東京ウエスト動物病院|東京都小平市学園東町の動物病院

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愛猫の体重は? – 肥満(栄養失調)

あなたの猫は理想的な体重ですか?

愛猫の太りすぎに対して関心はありますか?
猫ごとに理想的な体重が異なることをどうやって判断できるのでしょうか?
ボディ&筋肉コンディションスコアと呼ばれるスケールは動物病院のスタッフはよく使用しますが、ご家庭でも使用できるものです。

猫の肥満
猫の肥満は栄養失調症の1つとして位置付けられ、カロリーの過剰摂取状態です。
英国では、39~52%の猫は過体重または肥満であると推定されているようですが、日本ではもっと低い水準にあると思われます。

「肥満」の猫とは、過剰な脂肪の蓄積により、適正体重より少なくとも20%重い猫のことです。
猫が適正体重より10~19%重い場合は、「過体重」となります。 理想的には、猫は最適な体重を維持できるようにフードを与える必要があります。肥満や過度の痩削は寿命を縮めることが知られています。

体と筋肉の状態(ボディ&ムスクルコンディション)の評価
体重測定は、愛猫の重さが増加したか減少したかを知るためによく行われます。理想的な体重は個々の年齢と品種によって違いますので、体の状態を評価する尺度として、ボディ&クスクルコンディションスコア(BMCS)もよく一緒に使われます。

ボディコンディションスコア(BCS)は、猫の体の状態を1~9で等級分けし、BCS 1は非常に痩せており、5は理想的、9は超肥満です。
肥満の猫では、肋骨は厚い脂肪層で覆われ、触ることが難しくなります。肋骨の隆起部は厚い脂肪の層で覆われ、お腹のウエストはなくなります。

下のグラフは、猫の体全体と筋肉の状態を評価するのに有用です。ここではボディコンディションスコアは1~9に細分化されています。筋肉の状態は、1~4に分けられています。

肥満による健康リスク
肥満は、以下に示すように多くの病気の発症または進行のリスクを高めます。

肥満が危険因子となる疾患       肥満によって起こり得る合併症
・糖尿病                ・麻酔リスクの増加
・下部尿路疾患(膀胱炎など)      ・免疫機能の低下
・関節ストレスと変形性関節症の悪化   ・難産(出産の問題)
・非アレルギー性皮膚疾患        ・呼吸障害(ピックウィックラン症候群
・肝リピドーシス(肝臓に蓄積した脂肪)          Pickwicklan’ syndrome)
・スタミナと運動耐性の低下

肥満発症のリスク
猫の体重増加は、猫が長期間にわたって「プラスのエネルギーバランス」を保っている場合、つまり消費カロリーよりも多くのカロリーを摂取している際に起こります。余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。ほとんどの場合、体はエネルギー消費と一致するようにエネルギー摂取を調整することができ、体の状態を「設定値」付近に維持しようとするものです。 ただし、特定の要因がこの設定値に影響を及ぼし、猫の体重が増加しやすくなる傾向を示します。

純血種の猫は一般の雑種猫よりも肥満になる可能性は低いようです。去勢手術を受けた猫は体重が増えやすい傾向があります。 猫を去勢すると代謝率が約20%低下するため、去勢手術を受けた猫は体の状態を維持するために必要なフードが未去勢の猫よりも少なくなります。 活動は個々のエネルギー必要量により大きくことなります。活動性が低下していたり、運動の機会が制限されている猫は、活動的な猫よりも体重が増加するリスクが高くなります。去勢や避妊をしていない猫は運動量が維持される傾向があります。一方、去勢や避妊手術を行うと、歩き回りたいという欲求が減り、猫の身体活動量は減少します。

猫の年齢は肥満の有病率にも関係しています。 2 歳未満の猫は過体重になる可能性が低いのに対し、2~10歳の猫は必要なエネルギーが少ないため、過体重になる可能性が高くなります。また、シニア猫や老猫(10歳以上の猫)は低体重になる傾向があります。

非常に美味しく、エネルギー密度の高い食事を与えると、特にそのような食べ物が自由に入手できる環境、または「おやつ」として過度に与えられる場合、猫は過食しやすくなり、肥満を促進します。

さらに、食欲を増加させたり、代謝率を低下させたりすることにより、体重の増加を促しやすい薬も知られています。体重増加に関連する薬剤としては、コルチコステロイド (プレドニゾロンなど)、アミトリピリン、シプロヘプチジンなどが知られています。

肥満の治療
急激に猫の体重を減らすことは危険です。肝リピドーシスは、絶食中の代謝変化の結果として肝臓内に脂肪が蓄積される、致命的な可能性のある肝疾患です。理想的には、体重を徐々に着実に減少させるのがいいです。重度の太りすぎの猫が理想的な体型に達するまでには、最長で1年かかる場合もあります。動物病院では、適切な食事と運動の計画と注意深いモニタリングを組み合わせた減量プログラムを作成することができます。毎日密接に接触している猫の体重減少をチェックするのは難しいかもしれませんので、定期的に動物病院での診察を受けていただき体重測定することは、急激な体重減少を防ぐ意味でも役立つことと思います。

猫は肉食動物であり、人間や犬とは異なり、生きていくためには食事に肉を摂取する必要があります。小型の獲物である哺乳類からなる猫の自然な食事は、高タンパク質で低炭水化物になります。猫の体重を減らすために、高タンパク質、低脂肪、低炭水化物の療法食がありますが、これは、猫が除脂肪体重(つまり筋肉)を維持しながら脂肪を減らすのに役立つものです。

適切な食事に加えて、遊びを増やしたり、家の中での動きを促進したり(ペット用ハーネスを使用したり、餌入れを動かしたり、階段を上り下りさせるなど)、猫に運動を促すことも良い方法です。パズルフィーダーは、身体的および感情的な幸福を高めることもわかっています。

最適な状態を維持する
猫が目標体重に達したら、活動性の低い猫の場合は、「軽い」または低カロリーのフードを与えることが望ましいと思われます。活動性の低い猫のためのフードは、通常の維持食ほどカロリーは含まれていません。毎日一緒にいる猫の体重減少の有無をチェックしたり、体重増加の初期段階を見つけるのはなかなか難しいかもしれません。脂肪が再び増加し始めていないことを確認するためには、通院による定期的な体重のチェック、ボディ&筋肉コンディションスコアのチェック継続はとても効果的なことと思われます。

当院では 猫の肥満 アドバイスを実施しています。診察、治療をご希望の方はご連絡を。
Web問診はこちら – 東京ウエスト動物病院 TEL:042-349-7661  FAX: 042-349-7662
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