犬の誤飲・誤食事例 – 内視鏡による摘出処置のご紹介|東京ウエスト動物病院|東京都小平市学園東町の動物病院

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犬の誤飲・誤食事例 – 内視鏡による摘出処置のご紹介

少し目を離したすきに・・・、ペットがプラスチック片、紐状のおもちゃ、果物の種、ネックレス、靴下などを飲み込んでしまった、食べてしまったということはありませんか?

ペットの誤飲・誤食は日常生活でまれに見られる事です。実際に起こってしまった時はどうしたら良いでしょうか。当院のTWAH消化器内視鏡のご案内

ご自宅での対処法
・口の中にあれば、急いで取り出す。
・自宅で無理に吐き出させようとするのはお勧めできません。うまくいかないことが多かったり、時間が経過して、症状の悪化につながるリスクもあります。
・すぐに動物病院に連絡し、嘔吐処置を受けたい旨伝える。夜間であれば、救急対応してくれる施設へ連絡する。誤食して30分以内であれば、体に吸収される前に取り出せるチャンスは大きいです。
・翌日には、確認のためかかりつけ医に連絡あるいは診察を受ける。

なお、現在では、濃いめの塩水(飽和食塩水など)や消毒液(過酸化水素水)を無理矢理飲ませる方法は推奨されません。以前は動物病院でもこのような方法を行っていたことはあったのですが、味(刺激性)、食道・胃粘膜が荒れる、脱水を促す、体への負担が大きいなどのことから行わない方がいいでしょう。

動物病院での対処法
・経過観察
便で出てきそうな小さなものや摂取しても害にならないと予想されるものは経過を見ることになります。経過観察はその名の通り、何も対処はせず様子を見ることです。腸の直径よりも小さな異物や綿などの柔らかい異物などは時間の経過とともに便で出てしまう可能性があります。ただし、少し大きめの異物は腸で詰まってしまったり、長い間胃の中で停滞して胃腸障害が出てくることがありますので、注意が必要です。

・催吐処置
催吐処置は注射薬や目薬タイプの薬などを投与して吐き気を促し、異物を吐かせる方法です。異物が胃内にある時は有効ですが、異物を必ず吐き出せるとは限りません。また、先が尖っているものなどは催吐処置をすることで胃や食道に刺さってしまう危険性があったり、投与した薬で重篤な副作用が生じる可能性も有ります。副作用の少ない点眼タイプの催吐剤もありますが、眼の病気がある患者の場合は症状が悪化することがありますので、そのあたりを考慮したうえで処置を行うことになります。

・内視鏡での摘出
全身麻酔下にはなります。前検査ののち実施します。内視鏡による摘出は胃内にある異物を最も安全に摘出することができる方法です。また、胃や腸の粘膜の状態を肉眼的に観察できるメリットもあります。ただし、内視鏡を行うためには全身麻酔をかける必要があること、物によっては内視鏡では摘出できないことがある(内視鏡で摘出するには異物が大きすぎるなど)などのデメリットもあります。

4.全身麻酔下での開腹手術
内視鏡で摘出できない胃内異物や、腸に異物が詰まってしまった場合は、開腹手術により異物の摘出をしなければなりません。手術後は数日間入院し、絶食させて術部の回復を促し、流動食から食事を始めて経過を見る必要があります。

当院にて実際に内視鏡で異物の摘出をした2つの事例についてわかりやすくご紹介します。

事例1 8795 犬、ミックス、11歳、去勢♂、3.1Kg

 1年位前から徐々に食欲や体重が減ってきたとのことで、胃や腸に何か異常があるかもしれないということで内視鏡で検査を行いました。 ボタン様のものが胃の中に見つかった子です。

全身麻酔下で、胃の中に黒い異物を見つけました(内視鏡所見)。

内視鏡のバスケット鉗子でつかみ、食道まで引っ張ってきたところです。

実際に摘出した異物です。プラスチックの蓋のよう似見えますが、長い年月胃内にあったことで形は変わり、黒く変色していました。

事例2 9556  U.W.ちゃん 柴、2歳、メス避妊済み、10..25Kg

 昨夜、モモの種を食べてしまったとのことで来院されました。 ちなみにこの子は、当院での眼内レンズ(IOL)入りの白内障手術を受けています。

全身麻酔下で、胃の中でモモの種を見つけました。

内視鏡のバスケット鉗子で桃の種を確保したところ。

無事摘出できました。
 

今回ご紹介した2つの事例は、開腹手術をすることなく、口からの内視鏡処置により無事摘出することができた成功事例です。

麻酔から醒めれば回復も早く、その日のうちに退院でき、日常の生活に戻ることができます。このメリットは大きいです。

TWAH消化器内視鏡のご案内

ペットの誤食を防ぐには、次のような点に注意することが大切です。
1.ゴミ箱はペットにとって興味津々のエリアです。机の上、台の上など届かない高さの所に置く、ドアのついたエリア内に置くなどの手の届かない場所に置くことが対策になります。
2.ペットは飼主の動き、動作、挙動などをよく見ています。イヤリング、たばこ、小さな物でもペットの口の届かない所に置く。
3.ペットガードなどで動ける範囲を制限し立ち入りを防ぐ。
4.留守番中はサークルやケージに入れる。
5.来客がある際は別の部屋に移す、ケージに入ってもらうなどの対策をする。
6.散歩時は、拾い食いを防ぐためにリードを短く持ちコントロールできるようにしておく。草むらには行かせないようにする。
7.ペットから目を離さないようにする。スマホながらの散歩は避ける。

誤食してしまった際は、かかりつけ医に相談する。状況をできるだけ詳しく説明、食べた物や量、また現在の状態などを伝えて指示を仰いで下さい。 TS 

やさしく、あたたかい、確かなペット医療を!!


Web問診はこちら – 東京ウエスト動物病院 TEL:042-349-7661 FAX: 042-349-7662
ぺットの誤飲、誤食 に強い東京ウエスト動物病院

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