









このような症状は膝蓋骨内方脱臼かもしれません。 犬が後ろ足のおかしな動きをする原因として最も多い病気の一つです。 膝蓋骨内方脱臼は、小型犬で非常によく見られる整形外科疾患です。

膝蓋骨(膝のお皿)は、太ももの筋肉の力を骨へ伝える滑車のような役割をしています。膝蓋骨内方脱臼は 、このお皿が正常な位置から内側へずれてしまう病気で、小型犬に多くみられます。初期は痛みが目立たず見逃されやすいですが、放置すると前十字靭帯断裂や関節症、骨の変形につながることがあるため、早めの受診がたいせつです。

膝蓋骨内方脱臼の初期は痛みが目立たず見逃されがちです。
突然足をひょいと上げる / ケンケンする
足を後ろに伸ばす / 階段やジャンプを嫌がる
放置して進行すると骨変形や靭帯断裂に繋がることも。「様子見」せず、違和感があれば早めの受診をおすすめします。

膝へ負担がかかり続けると、図の1~5に示すような様々な問題を抱え込むことにもなりかねません。突然の「前十字靱帯断裂」や「骨変形」を招くと大きな手術が必要になることもあります。

膝蓋骨内方脱臼(MPL)はグレード1~4に応じた治療選択が重要です。 グレード別に対処の考え方は違います。症状や生活環境を踏まえ、最終判断をしていきます。5年、10年後も愛犬が元気に歩ける最適な対処法を考えましょう。
グレード1は、基本的に見守ります。放置ではなく、できる対処はご提案します。
グレード2~3は、経過観察から総合的に判断して手術をお勧めする場合があります。
グレード4は、難易度が高く、手術での対応は難しくなります。

この手術は、4つの方法を組み合わせて行います。
膝蓋骨(膝のお皿)がスムーズに動くよう、関節内の土台を丁寧に整え、正しい通り道を作り出します。
生まれつき浅くなっている溝を適切な深さまで削り出し、膝蓋骨がすっぽりと 収まる構造を作ることで、横滑りによる再脱臼を強力に防止します。
膝の靭帯がつながる骨の位置を適切にずらして固定します。脚にかかる力学的な歪みを真っ直ぐに正し、膝への負担を根本から軽減します。
位置決めした骨を専用ピンで強固に打ち込んで固定します。術後の違和感や組織への刺激を抑えるため、余分なピンを高精度に切断処理します。
膝関節を動かして「膝蓋骨が外れないこと(MPLの整復)」を最終確認 した上で、丁寧に皮膚を縫合して手術を完了します。
手術アドバイザー
南 毅生 先生Takeo MINAMI
株式会社 南総合研究所 所長
■所属学会・研究会

Treatment duration and basic flow

お電話にて初診日のご予約をお願いいたします。ご予約後、WEB問診の回答をお願いいたします
かかりつけ医からのご紹介の場合は、下記のフォーマットをご利用いただいても結構です。

先ず、整形外科での診察を受診していただき、膝蓋骨、大腿骨、脛骨、股関節、筋肉の状況をつかみしっかり判断します。膝蓋骨内方脱臼の手術適応であれば術前検査日および手術日を決定していきます。

膝蓋骨(パテラ)の状況をつかむための触診、視診、歩様検査、レントゲン検査を実施します。その結果をもとに、飼主様のご希望などを含めてしっかりとお話をして、ベストな手術をご提案いたします。術式は、滑車溝の形成、膝蓋骨の調整、脛骨粗面の転移、軟部組織調整を基本として決定します。


決められた流れで手術を実施します。全身麻酔ののち、膝蓋骨内方脱臼(MPL)整復手術を行います。
終了後、エリザベスカラーを付けて、酸素ルームに一時間ほど入ります。麻酔の覚醒、安静を確認していきます。手術当日は鎮痛処置を中心に痛みストレスの軽減を計ります。安定が確認できれば一般の入院室に移ります。

手術翌日からの診察で、膝蓋骨の状態、後肢全体、全身状態の確認を進めていきます。
術後の鎮痛剤、鎮静剤、抗生剤、点滴、リハビリなど必要な処置を行います。エリザベスカラーは基本的に付けます。
およそ4~5日ほどで退院となります。術後の状況次第では延びることもあります。

経験豊富な整形外科のエキスパート(専門医)と連携し、難症例も含めて一例ごとに最適な術式(溝形成術・脛骨粗面転位術・軟部組織調整など)を組み合わせて検討・実施します。

<専門医連携・個別の詳細評価・安全な麻酔・鎮痛・手厚いリハビリサポート>を一体化。
目先の治療だけでなく、5年後・10年後も愛犬が元気に走り続けられる未来を目指したトータル医療を提供します。
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
|
前検査の費用
・膝蓋骨脱臼の状況を把握するための触診、視診、後肢系のレントゲン検査、歩様検査(動画撮影を含む)
・全身麻酔 ・手術が可能か否かのための全身検査(血液、血圧、胸部・腹部レントゲン、心電図など) を行います。 必要に応じて、超音波エコー検査、内分泌系検査、尿検査などを行う場合もあります(費用は別途)。 |
6.6万円~ |
|
膝蓋骨内方脱臼整復手術当日の費用(片足)
(術後のレントゲン撮影費用を含む)
※両側同時手術は、ご相談ください。 |
31.9万円~(片足) |
|
入院費用
リハビリ、血液検査(1回)、痛み止め、抗生剤、点滴、飲み薬、エリザベスカラー装着などの費用が含まれます。
|
1日あたり2.2万円~ |
※費用はすべて税込です
| トータルの費用(片足) | 料金(税込) |
|---|---|
| 入院(5日間)+手術 | 44万円~ |
| 入院(8日間)+手術 | 50.6万円~ |
※費用はすべて税込です
軽度の症例では経過観察できる場合もあります。
しかし進行すると、
などの可能性があります。
特に若齢犬では成長とともに骨格の変形が進行することがあります。
すべての症例で手術が必要というわけではありませんが、まずは現在の状態を正確に評価することが大切です。
残念ながら自然に治ることはほとんどありません。
膝蓋骨内方脱臼は骨や筋肉、靭帯のバランスが崩れて起こる病気です。
そのため、
だけで、正常な位置に戻ることは通常ありません。
ただし、すべての症例で手術が必要というわけではありません。
症状が軽く日常生活に支障がない場合には、体重管理や運動管理を行いながら経過観察することもあります。
当院では、各個体の状態に合わせて最適な治療方針をご提案しています。
パテラは早い段階で発見し、適切な治療方針を立てることで良好な経過が期待できます。
進行すると、
などが起こり、治療がより複雑になる場合があります。
たまに足を上げるだけだから大丈夫かな?
という段階でも構いません。
気になる症状があれば、早めのご相談をおすすめします。
基本的には入院をおすすめしています。
術後は
が重要になるためです。
入院期間は症例によって異なりますが、多くの場合は4~5日程度です。
性格やご家庭の事情も考慮しながらご相談させていただきます。
はい、高齢犬でも手術は可能です。
年齢だけで手術の可否は決まりません。
全身状態を評価して判断します。
実際に当院でもシニア犬の手術は行っています。
ただし、
大切なのは、
です。
当院では術前検査を行い、安全性を十分に評価したうえで手術をご提案しています。
高齢だから無理かなと思われる場合も、まずはご相談ください。
はい、症例によっては両足同時の手術は可能です。
両側の内方脱臼がある場合、
などを総合的に評価して判断します。
両足同時手術のメリットは麻酔が1回で済むことですが、術後に両足へ負担がかかるため慎重な判断が必要です。
当院では各事例ごとに最適な方法をご提案しています。
膝蓋骨内方脱臼の手術費用は、
によって異なります。
診察とレントゲン検査を行ったうえで、事前にお見積りをご説明いたします。
ご不明な点は遠慮なくご相談ください。
多くの犬で歩行機能の改善は期待できます。
特に、
といった症状は改善することが多くあります。
ただし、
では、完全に正常な状態まで回復しないこともあります。
当院では、元気に歩き、走り、生活の質を高めることを目標に治療を行っています。
手術内容や年齢によって異なりますが、
一般的には
リハビリ期間は術後2ヶ月間となります。
無理な運動は再脱臼や症状再燃の原因になるため、術後は段階的に運動量を増やしていくことが大切です。
詳しい運動管理については退院時にご説明いたします。
再発の可能性はゼロではありません。
しかし適切な術式選択と術後管理により、多くの症例で良好な経過が期待できます。
再発のリスクを高める要因として、
などがあります。
当院では術前評価を重視し、その子に最適な治療計画を立てています。
多くの場合、ピンは体内に残したまま生活できます。特に問題がなければ抜去手術は必要ありません。
ただし、
などが認められた場合には、骨が十分に治癒した後に抜去を検討することはあります。
事例ごとに判断いたします。
はい、対応可能です。
膝蓋骨内方脱臼と前十字靭帯断裂は同時にみられることがあります。
診察やレントゲン検査、整形外科検査により膝の状態を詳しく評価し、
を同時に行うことはあります。
症例によって治療方針は異なりますので、まずはご相談ください。