より安全な管理をめざして麻酔・手術の管理
去勢や避妊など健康時に行う手術でも、
変わらぬレベルの麻酔・手術管理を実施します。
術前の管理・・・体調面の評価と器材の滅菌
麻酔をかけられるか否かを評価する。
- PS(Physical Status、フィジカルステイタス)を評価する。
PSは1~5までの段階があり、PS1は健康、PS5は24時間以内に死亡すると思われるもの。これはリスクを評価するためのもので、ASA(アメリカ麻酔学会 American Society of Anesthesiologists)で決められている評価基準です。
- 血液検査(CBC、生化学、電解質、血液塗抹)、X-ray、心電図、血圧を評価する。
- 必要に応じてエコー検査、内分泌ホルモン検査、眼科検査、尿検査、糞便検査などを追加することもある。
手術に用いる器材、器具は滅菌した物を準備する。
術中の管理・・・酸素化とモニター ソノサージ、保温
麻酔に入る前には、充分な酸素を吸入させ体内の酸素化を計る。
体温の低下に対する保温対策も行う。
術中は、麻酔記録を取りながら麻酔深度の調節を計る。
手術に当たっては、超音波手術装置(ソノサージX、オリンパス社)を使用する。

最大のメリットは、
- 手術時に縫合糸を使わないため、体内に糸を残さない
(縫合糸反応を回避できる) - 出血量が少ない
- 手術時間が大幅に短縮できる
皮膚の縫合には、ステイプラーを使用する。
白内障、緑内障、角膜などの眼科の手術では、眼科用手術顕微鏡(ライカ)を使用する。
術後の管理・・・鎮痛処置と酸素ルーム
鎮痛処置: 手術の後半で注射等による鎮痛処置を施す。

次世代型 ICU (Intensive Care Unit)・酸素ルーム
手術の前後のほか、緊急時、呼吸困難、低酸素症、貧血など様々なシーンで活躍します。
次世代型ICU メニオス(2室、3室として使えます。)
小型の酸素ルーム DEAR
手術の場合は、必要に応じて術前から使用します。
術後は必ず酸素ルームに入り覚醒を待ちます。通常、1~2時間ほど置きます。
当院では、去勢や避妊など健康体に行う手術であっても、術後には必ず一定時間酸素ルームで過ごします。
健康体への手術であっても、通常の手術と同じ高レベルの麻酔・手術管理を施しています。
※日曜日午後14:40~16:10は猫の診療予約
を行っています。
緊急時は、休診日(月曜、木曜午後、祝日)でも診療を受付けます(休日診対応となります)。042-349-7661へお電話ください。